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戦国哀歌51

川渡しが始まり、男は卑屈に冗談を連発する。

足止めが解かれ、船渡し船頭に路銭を渡し、船による川渡しが始まった。




船は思いの他揺れ、空はどんよりと曇り、頬に当たる風は冷たく、男がその風を吸い込むような仕種をしてから大声で言った、





「畜生こりゃ、寒いな!」





その声を聞いて船頭に才蔵、他の客達が一斉に笑った。




受けが良かったので、男が引き続き冗談を連発して行く。





「川の向こうに着いたら、地獄ではなく極楽でありますように、川の神様お願いしますだ」




そう言って男が川に向かって卑屈に拝む姿が滑稽に見え、船の上は又しても笑いに包まれた。





男が拝む仕種のままに続ける。




「俺の人生裏切られてばかり。下剋上の掟を裏切り、今度こそは極楽浄土に行けますように、お願い致しますだ。お願い致しますだ」





川に落ちそうな程に男が拝む動作をして、船が揺れ、それを船頭に注意され、男が船頭にやはり卑屈に謝るその姿に、一同は又声を揃えて笑った。

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