表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/250

戦国哀歌44

裏切りこそが天下人だと、男は言った。

燈籠の炎が消え、男が暗くなった天井を見上げ続ける。





「じゃがのう、わしは信長の天下取りの野望に敵対する下剋上は好きなのじゃ。戦乱の時代に在って戦いから逃げる事は即死を意味する。戦いの中では、下が上を裏切る事にのみ、絶大なる力があるわけじゃ。信長を裏切り陰で奴隷売買を成すその事は言わば富国強兵の誉れ、下剋上、闘神の鏡と言えるわけじゃ。そして下剋上の最も鋭利な武器は裏切りとなり、その裏切りこそが天下人の証となるわけじゃ」




才蔵が抜け目なく言う。





「裏切りが好きなそなたはわしも当然、裏切るわけじゃな?」




男がどす黒く笑い言った。




「わしは乱世の世に在って裏切りこそが正義、生きる寄る辺だと言っているだけじゃ。じゃから信長は裏切りの連鎖の中にあるからこそ、殺戮戦に陶酔して、そこに生き甲斐を見出だしている、言わば裏切りの魔王なのじゃ。じゃからこそ、奴は下剋上の時代に在って天下人たらんとしているわけじゃ。わしのうつけとは度量の違う大うつけよ」





そう言って男は高笑いした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ