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戦国哀歌39

妹は前田勢に生け捕りにされ、性の奴隷として南蛮に売り飛ばされたかもしれぬと、男は言った。

才蔵は半信半疑ではあるが、とりあえず様子を見る思惑を秘め男の誘いを承諾した。




「分かった。では川を渡り前田勢の領地から一旦出て、一向宗派の寺に赴くとしよう」




男が喜び言う。





「こなたの砦を攻める一揆に参画するのじゃな?」





横たわったまま才蔵が顎を引き答える。





「そうじゃ」





男が上体を持ち上げ、両手の平を合わせ合掌し、拝むような仕種を才蔵に向けて言った。




「有り難いわ。これでこなたの砦が陥落すれば、俺はさらわれた妹を奪還出来るやもしれぬぞ」





才蔵が尋ねる。





「妹御は殺されずに生け捕りにされ、こなたの砦におると言うのか?」



上体を戻し、悲しみに暮れる沈黙を作った後、男が言った。





「前田勢の者達になぶり者にされていれば、まだおる可能性はあるが、飽きられていたら、性の奴隷として南蛮辺りに売り飛ばされ、もういないじゃろうな」





才蔵が物憂い虚ろな声で答える。





「南蛮か…」





その声を受けて男がけだるく言った。





「そうじゃ、南蛮じゃて…」


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