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戦国哀歌38

あんたが俺に付き合ってくれ、俺が首尾よく敵討ちの本懐成し遂げたら、毒消しの事教えてやってもいいが、どうじゃと、男は言った。

才蔵が訝る。





「しかしその話しは変ではないか。一揆に参画するならば、一人でも出来るしの。違うか?」





男が答える。





「わしは非人じゃぞ。非人は坊主にも差別されるではないか。人間扱いされない者は一揆にも参画出来ないのじゃ」





才蔵が男の話しを否定する。





「そんな事はあるまい。一向宗も信長との戦いで疲弊している由にて。猫の手も借りたい有様じゃからのう。身分になんか関係なく登用はされる筈なんじゃが」





男が言下に言ってのけた。





「俺は事情を話し、実際に一揆に志願したのじゃが、非人だと体よく断られたのじゃ。それで俺は思ったんじゃ。一揆に参画する為には坊主と一緒じゃなきゃ駄目だとな。だからあんたに頼んでおる由なんじゃ」




才蔵が熟慮する間を置いてから尋ねた。





「お主本当に毒消しの手掛かりを知っておるのか?」





男が答える。





「おうよ、知っているとも。この近隣では前田勢の毒矢で生きる屍にされ、その毒消しを使って治癒した一向衆の者もいるんじゃ。あんたが俺に付き合ってくれ、俺が敵討ち首尾よく成し遂げたら、教えてやってもいいぞ。どうじゃ?」

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