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戦国哀歌27

自分の不明と悲しみを、仲間には見せてはならないと、長老は考えた。

長老は考える。





運命について。





今目の前で起きている現象、出来事と言うのは過去の全ての調和と言って良いだろう。




各個人の占術と言うのはその過去の現象を細部に渡り、見ての類推なのだ。





だから占いをする場合、その者の過去を知る術としての情報は必要かくべからずのものとなるわけだ。





そしてその情報を全て羅列したところで、その当人にとっての今を凝視すれば占いは完成される。





つまり病が抜きんでてあれば、その病の今を言うのが未来に向けての占いとなるわけだ。




だが。





戦時の占いは違う。





全ての定めが戦場に集約し、生死が分かたれる、その生死の分岐点が混沌としてしまい見えないのだ。





つまり余りにも大勢の人間達の過去の総和が集約してしまい混沌を成すので、この混沌に邪魔をされて占いとしての未来が見えなくなってしまう現実。





そこには歎きしかない。




仲間の生死を占っても正確なる占いは出来ず、そこには歎きと哀しみしか無い。





その歎きの中で、せめて自分に出来る事はと長老は自身に問い掛ける。





自分の不明と、歎き哀しみを仲間に見せてはならない。





それしか無いと長老は思った。

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