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戦国哀歌237
地球儀を回しながら、神には世界征服が分相応、相応しいと、信長は思った。
南蛮渡来の地球儀を指で回しながら、信長は考える。
天下布武にも大手が掛かり、あらゆる戦国大名の頂点に立てる見通しもついた。
逆らう者共は容赦なく皆殺しにして覇権の道を力の限り突き進み勝利して来た。
その力は神仏にも及び、最早我は人間に非ず神ならば、民は我を神と崇め奉る事至極当然なりや。
現人神の名こそ、それがしの名に相応しいと信長は思う。
神の中の神ならば、世界征服をも夢ではないと信長はほくそ笑む。
回る地球儀を指で止めて信長は思った。
現人神には日ノ本の国は狭すぎる、世界こそが相応しいと。




