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戦国哀歌222

親殺しは信長暗殺と同義、然るに正義なのじゃと、闇の影は言った。

闇が炎の影となり、もう一人の影が言う。





「心の臓を突けば極楽浄土に赴き、こんな地獄も見納めじゃ。早く心の臓を突くのじゃ」




幸助が情けなくも力なく微笑み言った。




「相、分かった。しかしわしは親殺しの大罪を犯した者故、極楽浄土に赴く事能わずではないのか?」





影が炎の闇の中でうごめきながら言う。




「そんな事は無い。信長暗殺の親殺しを成したのじゃから、間違いなく極楽浄土に行ける由にて心配致すな」




幸助が涙を流しながら泣き笑い言った。





「わしは親を殺したが信長暗殺と、相成ったのか?」





理不尽な闇の影がもどかしくも踊りながら語る。




「信長暗殺と親殺しは同義、然るに正義なのじゃ」




それを聞いて幸助は狂おしく笑い言った。





「そうか。わしが親殺しを為したのは信長暗殺だったのじゃな。それならばわしは心置きなく極楽浄土へ赴けるではないか、綾よ、そう思わぬか?」





闇が炎の揺らめきを象り、口となって音なき音を囁くごとく綾が言った。





「幸助、そなたは親殺しなどしてはおらぬのじゃ。幸助よ、眼を覚ませ」

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