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戦国哀歌207

僧正の首を討ち取り、幸助は刀を打ち捨てて慟哭した。

紅蓮の炎が燃え上がり黒煙を上げて寺が燃えている。




無抵抗な僧兵を黒い甲冑を纏った足軽が槍で串刺し、煙りに激しくむせ咳込みながら倒れた僧兵の首を捩切り、血飛沫が上がる中、その返り血を浴びつつ、両耳を削いで行く。




刀を持ち幸助は無駄な戦闘を避けながら熱い涙を流しつつ僧正の姿を求め探索を続けている。





僧正警護の僧兵と共に綾の介護を為した若い僧兵が万歳して微笑みながら、種子島で胸を撃たれて倒れ、その首が撥ねられて、血飛沫が上がり耳を削がれて、その首が無造作に炎の中に投げ込まれて行く。




炎に包まれた柱が音を立てて倒れて行く中、随所で断末魔の絶叫が上がり、咳込みと激しく動き回る戦闘の足音が聞こえて来る。




廊下を回り込み、幸助はまだ焼けていない伽藍に足を踏み入れ、立って幸助を迎え入れるべく微笑みながら合掌を為している僧正を見付けた。





幸助はその僧正に向かって泣きながら、あらん限りの雄叫びを上げ、迅速に近寄り、中段から刀を一閃し、首を撥ね、血飛沫が上がるままに、その刀を打ち捨てて、熱い涙をほとばしらせ、うずくまり慟哭した。

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