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戦国哀歌206

幸助に我が首を差し出す所業は御仏に念仏を唱える事と同一であり、喜び以外の何物でもないと僧正は思った。

密偵の報らせに依り、黒い軍勢が寺に向かって進軍している事実は察知した。





僧正は寺の者に逃げたい者は逃げ、残る者は抵抗はせず、首を差し出すように命じ、静寂に包まれた伽藍に足を踏み入れた。




脳裏に信長暗殺の言辞が浮かぶ。




信長暗殺の為の人柱ならば、幸助に我が首を討ち取らせるのも、聖戦戦略となし、喜んでこの首を差し出そうと僧正は考える。




信長暗殺の為の悲願達成を願い、我が同門の衆は皆念仏を唱え笑って死んで行ったのだ。




信長を誅滅する為の聖戦に同門の者は悉く命を差し出し、信長を暗殺するが為に人柱となり、命を滅したのならば。





幸助に我が首を差し出す所業は御仏に念仏を唱える事と同一であり、喜び以外の何物でもないと僧正は思い、御仏の尊顔を仰ぎ見るごとく視線を遊ばせ、手を合わせ、微笑み、題目を為した。

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