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戦国哀歌204

軍勢が我が寺に向かって進軍するを知り、幸助はひたすら動揺し、うろたえる。

正午。





奇襲をかけるべく影の軍勢は明らかに我が寺に進軍向かっており、馬廻りを侍るように歩を進めながら、幸助は額に脂汗を滲ませ、小刻みに震え、ひたすらうろたえる。





その幸助が動揺する様を馬に跨がっている影が目敏く見付け指摘する。




「どうした、武者震いか?」





黒い甲冑を纏っている幸助は相槌を打ち言った。




「御意」





影がいみじくも言う。





「雑魚は他の兵士が始末する故、そなたはとにかく僧正の首を討ち取っくれ。頼もうぞ?」





脇の下を冷や汗が流れ落ちて行くのを自覚しつつ、心がおののくのをひた隠しにしながら、幸助は息を詰めるように応じた。




「御意」




馬に揺られながら影が言う。





「とにかく討ち取った者の首から耳を削いで集めてくれ。わしは信長公とは違い鼻ではなく耳が好きなのじゃ。頼むぞ」

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