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戦国哀歌186

毒を以って毒を制するのことわりに則り、わしは信長公をその独善と虚妄で裏切り、憤死させてやろうと、影はうそぶき言った。

摘んだ野草の泥を揺すり落としてぞうのうに入れ、影が続ける。




「毒を以って毒を制すのことわりに則っれば、わしの唯々は正に理に叶う所存よのう。わしは一向宗と言う権力亡者に毒を以って毒を制しておるわけじゃ。然るに一向宗の法主を始め腐れ外道坊主共は、己の極楽浄土理論こそが天下に毒を齎している事実を知らずして、厚顔無知にも美しい心の在りかを宣わるわけじゃ。じゃからのう、わしはその独善の毒を毒で制し、本当の意味でのこの美しい可憐な花の毒の美しさを、きゃつらに教えてやるつもりなんじゃ」




生い茂る野草の花を、眼を細め見遣りながら影が続ける。





「信長公は一向宗の外道坊主を皆殺しにして、毒を以って毒を制すつもりなんじゃが、さにあらずや、信長公こそがその毒に毒され、表裏一体の毒を以って毒を制され、憤死する宿命を招いておるわけじゃ。つまり信長公は地蔵等を逆さまに埋めて、幸運を招来させる目論みじゃが、その目論みも外れ、腐れ外道の逆さま地蔵の毒を服毒し憤死するのが定めならば、わしはその毒となり、信長公の身を焼き尽くしてやろう、そう想うておるのじゃ」

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