表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
182/250

戦国哀歌182

影の連なる言辞に心を置かず、幸助は無機質に返事を為して行く。

影が振り返り、幸助に念を押すように言う。





「所詮この世は裏切りの信条が全てであり、信義など夜露のごときものでしかない。民ももののふも、面従腹背、全てが裏切りの賜物であり、欺き偽る事のみが下剋上を生き延びる処世訓でしかないわけじゃ。そちもその道理しかと承知しておろう、どうじゃ?」





幸助が恭しく相槌を打ち答える。





「御意」




話している影が目敏く野草を見付け、そこに歩み寄り、摘みながら続ける。




「下剋上に於ける生き物としての裏切りそのものの天下布武を、完全に掌握制御出来る者こそが真の天下人であると、わしは思う。じゃが広く天下を見渡せば、信長公も含め皆裏切りの天下人に翻弄され、あたふたとしておる者ばかりじゃ。それは取りも直さず、裏切りの天下人を下剋上のことわりに則って凌駕していない証であり、それはそのまま天下人不在の裏切りこそが下剋上の天下人となる所以よのう。わしはそう思うわけじゃ」




心を置かず、幸助が無機質に返事を為す。





「御意」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ