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戦国哀歌176

幸助は心を鬼にして、一向衆婦人に向けて毒矢を放った。

夕暮れの山間。





そよ風が吹いている。





畑で野良仕事をしている一向宗門徒の夫婦連れを目敏く見付け、藪に潜んだ影が、同じように弓と矢を持ち潜んでいる幸助に小声で言う。





「良いか、ここからあの女子の太股を狙うんじゃ。太股じゃぞ、やれ」





命令に従い、幸助が立ち上がり、弓を引き絞り構えた。





幸助は毒矢の後遺症で左半身に麻痺があるので、弓を引き絞ると左手が痙攣し、力が上手く入らない。





それを強引に押して、幸助は風に逆らうようにぎりぎりのところまで弓を引き絞り、十分射程距離に入っている一向衆の婦人の太股に狙いを付け、止めた息を吐き出しつつ、毒矢を放った。





毒矢はほぼ直線的に婦人の左太股を射ぬき、婦人はもんどり打って倒れ、絶叫を上げて、激痛にのたうちまわる。





驚き、うろたえた夫が婦人に駆け寄て行くのを目の当たりにしながら、影がどす黒い笑みを湛え言った。





「よし引き上げよう」

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