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戦国哀歌166

滝壺の手前、潜望鏡さながらの竹の管が水面を移動して行く。

太陽がぎらつき照らし出す下。





火が鎮火し、焦土と化した山林を影の軍勢が立ち昇る煙りにむせ、汗だくになりながら、逃亡した者達の探索をして行く。





生い茂る葉っぱや藪が焼けて無くなっているので、その分見通しが良く、細部に渡る探索の必要性はなく、力任せに探索する速度も非常に早く済み、僧兵頭達が隠れる川岸近辺に驚く程の早さで、影の軍勢は到達した。





「誰もいないが、この川岸が怪しいぞ!」





「川岸を下って行ったんじゃ!」





「追え!」






「捕まえて殺せ!」




怒号、喧騒渦巻く中、黒い甲冑を纏った軍勢が滝や川岸を隈なく探索して行き、武器を片手に川岸を銘々滑らないように足元に気を配りながら下って行く。




そして追っ手の軍勢が立ち去った後、滝壺のやや手前、水面に浮かんでいる潜望鏡さながらの竹で出来た管が水面を浅瀬に向かって動き、持ち上がり、僧兵頭が頭を出して、口から管を外し、息継ぎをしながら纏わり付く水を書き分けるように立ち上がり、息を調えた。





それに倣い大僧正や他の衆も次々と立ち上がり、息継ぎ用の竹の管を口から離し、息を調えて行く。





一度深呼吸してからずぶ濡れの僧兵頭が言った。





「これで少し間を開けて、灯台元くらし、きゃつらの後を追うように川を下って里に出よう」

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