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戦国哀歌160

信長は鼻の数を数えながら、得意満面で側近に宛てた文を認めている。

信長が小机の上で筆を執り、側近の者に宛てた書簡を綴る。





だがその書簡の脇には討ち取った鼻が整然と並び、その数を認め悦びを顕す形の書簡であり、常軌を逸しているのが一目瞭然となっている。




その削いだ鼻の数が、そのまま信長包囲網の苦渋の襞をめくっていくように、信長は鼻の数を数えて得意満面となっている。




一向宗の者共を殲滅せしめる事は、そのまま武田、毛利、足利義昭等に対する暗黙のプレッシャーであり、その苛烈とも言える掃討戦がそのまま信長包囲網を突破する足掛かりになる事を信長は期して、疑わない。




言わば苦悩からの解放が、鼻の数に比例してある事の快感なのだ。




鼻の数が増えて行く程に苦悩は失せ、神経戦に打ち勝って行く誉れが見えて来る。




信長は文を認めるのを終え、筆を置き、してやったりと会心の笑みを頬に浮かべた。

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