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戦国哀歌153

鼻を削ぐ掃討戦の間隙を縫って、裏山に逃げ込む策を、僧兵頭は巡らした。

一進一退の攻防が続く中、信者は皆殺されてしまい、兵士の数も半分以下となった。





裏庭に出て、大僧正の警護をしつつ、植え込みの陰に身を潜め、僧兵頭は注意怠りなく戦況を見守って行く。




裏庭に出た途端そこには異様な戦況が展開されていた。





信長の軍勢は討ち取った者の鼻を削ぎ、各自ぞうのうに仕舞い込んだりして、その作業に無我夢中になっている。




夥しい数の鼻が一カ所に集められ、袋詰めされて、整理されている。




一向宗の者達をなぶり殺しにして、その鼻を削ぎ、集め、採集するのに皆夢中になっているのだ。





そんな光景を目の当たりにして僧兵頭は考える。




これならば逃げおおせるかもしれないと。





討ち取った首の代わりの役割を鼻が担っているのだ。




殺す事は鼻採集の後回しとなっている。





裏庭から通用口を潜り、物陰から物陰に移動して、信長の軍勢が鼻採集に夢中になっている間隙を縫って、裏山に逃げ込めればと、策を巡らす。




大僧正を警護しながらの不利な戦闘を繰り広げるよりも、ここは逃げの一手が肝心な戦況なので、僧兵頭は迷う事なくその戦術を選択し、大僧正にその旨を耳打ちして、促し、移動して行った。

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