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戦国哀歌147

才蔵が怒りを辛抱し、厳かに言った。

恫喝が効かないのを悟り、影は今度は泣き落とし戦術に出た。




「俺を殺せば、毒消しに辿り着かないと言う目測をあんたが裏切り、俺は裏切りの信条に則って、己の生を裏切れば、その裏切りの相乗効果が削いだ鼻を為し、あんたは毒消しに辿り着き、俺は裏切りの信条そのものとなり、信長をも裏切れるんじゃ。だから後生じゃから俺の首を撥ねてくれ。頼む」




才蔵が怒りを呑み込むように息を吐きだし言った。





「意味が分からぬ。お主わしを愚弄しているのか?」




影が泣き落とし戦術を続行すべく、真摯に答える。




「いや、わしは鼻よりは耳を削ぐのが好きなんじゃ。それなのに信長は鼻を削げとうるさく言うわけじゃ。それを裏切る為には、俺はあんたに首を撥ねられる事しかないんじゃ。分かってくれ、頼む?」




才蔵が首を振り、厳かに言ってのける。




「戯れ事を言ってもごまかしは効かぬ。毒消しの手掛かりを吐け」




影が一つ鼻をすすり泣き真似をしながら言う。





「死人に口有りなのじゃ。俺の首は胴体と離れると毒消しの正体を言いたがる、自動人形の首なのじゃ、分かってくれ!」




才蔵が怒り心頭なのを辛抱し言った。





「お主の泣き落としは挑発と同義。わしにごまかしは効かないぞ。毒消しの手掛かりを吐け、吐くんじゃ?!」

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