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戦国哀歌142

耳ではなく、鼻を削いで袋詰めするんじゃと、影が己の軍勢に一喝した。

乱戦模様の中で己の軍勢に影が一喝を入れた。





「鼻を削いで持って来い!」





信長は殺した一揆衆の鼻を削いで袋に詰めろと指示を出し、影はそれを悦び勇んで残忍に命令を下している。




黒い甲冑を纏った武将が、丸腰の僧侶の首を容赦なく撥ね、血飛沫が上がり、返り血を浴びながら、その撥ねた首から鼻を削ぎ落とし、その血まみれの鼻を掴んで移動し、どす黒い笑みをもらしながら、袋に詰める。




そしてやはり黒い甲冑を纏った足軽が槍で串刺しにした僧侶の首から短刀で鼻をえぐり削ぎ、表情一つ変えず袋詰めして行く。





血まみれの布で出来た袋は直ぐにぱんぱんとなり、その袋を管理している足軽が、血だらけの手で口を結び、無造作に足で蹴り倒して、次の袋の口を開き、そこに血みどろの鼻がどんどん集まって来る、そんな塩梅だ。




寺の随所から火の手が上がり、黒煙に咳き込み、涙を流しながら首実験してから、鼻を削いでいる足軽もいる。





そこでもう一度影が指令を出した。




「耳を持って来ておる者がいるぞ。耳ではないぞ。鼻じゃ、鼻。焼けて多少焦げていても構わんぞ。鼻を削いで持って来るんじゃ!」

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