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戦国哀歌14

殺戮戦の応酬に才蔵は陶酔状態となっている。

砦の奥に向かってひた走る才蔵を物見櫓から一丁の鉄砲が付け狙う。





才蔵が射程距離に入りその鉄砲が発砲しようとしたその刹那、砦の二階部分台座に張り付いた一人の雑賀衆の火繩銃が火を噴いた。





その狙撃は正確無比に才蔵を狙った鉄砲足軽の頭を撃ち抜き、鉄砲足軽は撃たれた反動で物見櫓から落下、即死した。





己が狙われ、助けられた事実など露知らず、大量に返り血を浴びた才蔵は鬼神のごとく走り続け、行く手を邪魔する者を、居合抜きさながらに刀で斬り裂き、その首を撥ねては、返り血を浴び又走るを繰り返す。





刃こぼれして、三本もの刀が折れて、それを打ち棄てた事実を才蔵は覚えていない。





眼の前で起きる闘いを、才蔵はまるで第三者のごとく醒めた眼差しをして見ている。





その冷徹な眼には、現れる敵の動作が焦れる程にゆっくりとしたものに映り、才蔵は苦もなく敵を斬り棄てている。




惨たらしい殺戮戦の応酬に、才蔵は陶酔状態となっているのだ。





その才蔵の動きを援護するように、四方八方から雑賀衆の火繩銃が火を噴き、敵を薙ぎ倒している。





砦の正面入口に辿り着き、才蔵は刃こぼれした刀を片手に持ち直し、口笛を吹くように長く息を吐き出した。

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