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戦国哀歌137

残忍陰湿な手口で分断工作をして、政教分離をごり押しし、無理強いする信長は極悪だと、僧正警護の僧兵は若い僧兵に言った。

幸助と綾の面倒を見ながら、僧正警護の僧兵が若い僧兵に話しかける。




「政教一致が在ってこその信者の一致団結なのじゃ。強い絆はその中央への強い信頼感、権勢、縦線の圧力があるからこそのものなのじゃ。信長めの言葉通り政教を分離してしまったら、その絆が弱まり、相互信頼感が失せ、信仰自体が弱体化して、やがては堕落して滅んでしまうわ」




若い僧兵が幸助の身体を手ぬぐいで小まめに拭きながら答える。




「信長めの論理は、我が同門のてっぺんが権勢を我欲に用い堕落しているからこその政教分離を訴えている側面もあるかと、それがしは思うのですが?」





手慣れた手つきで綾に重湯を与えながら、僧兵が答える。




「それは確かにあるが、権勢が堕落したのは、元を質せば信長の残忍陰湿な横槍、分断工作、内紛助成の攻勢のせいであり、従って信長めには政教分離など唱え、それを大義名分にする権利など無いと、わしは思うが、どうじゃ?」





若い僧兵が答える。





「それは正しくそれがしも、その言辞通りだと思いまする。そしてこたびの決戦にそれがしも赴き、信長の残虐非道なる政教分離思想を粉砕したい所存にござりまする」





その言葉を聞き、僧兵が会心の笑みを作り言った。





「とにかく我々は幸助、綾、僧正を死守し、この寺の仲間、ひいては真の意味での信仰、仏法の真髄を護り通すまでじゃ。それが我等の宿命じゃろうて」

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