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戦国哀歌129
篝火が引き倒され、闇に包まれた信長の陣営が混乱、パニックを引き起こす。
意表を突かれ、うろたえ混乱する信長陣営の篝火が矢継ぎ早に倒され、陣営が闇に包まれて行く中、僧兵頭が「こっちじゃ!」と掛け声を上げ、仲間と連携しながら、近寄る敵を刺し殺し、薙ぎ倒して、折れた刀を打ち棄てて、新たなる刀を拾い上げ、河辺に向かって裸のままがむしゃらに突進して行く。
「そっちに行ったぞ!」
「逃がすな!」
「殺せ、殺せ、殺すんじゃ!」
暗がりの中では種子島や弓は使えない。ましてや敵は裸で突撃して来ると言う捨て身の意外性に信長の陣営はただうろたえ、戸惑い、応戦がままならない。
パニックを引き起こして丸腰で逃げ惑う武将を、追い詰めた丸裸の僧兵が刀で突き刺し、首をえぐり力任せに撥ねる。
「大将首を討ち取ったぞ!」
その声に信長の陣営は益々怯み、犠牲者を増やして行った。




