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戦国哀歌123

仏敵信長を断固誅滅すると僧兵頭は自分を奮い立たせる。

雑賀衆の僧兵頭が長島城の出城に陣取り、敵を待つ。




信長暗殺の望みは潰えたが、存亡を懸けた決戦に志気は衰えてはいない。




こたびの決戦に臨み、信長は制海権を奪取、水軍を擁して攻めて来る。




屈辱を味わったら、倍返しをする信長の気質では、当然一揆衆全員皆殺ししか念頭にはなく、長島一揆勢は正に背水の陣、身命を投げ打っての決戦となる。




種子島を入念に点検しながら、僧兵頭は考える。





負け戦になる事が必定ならば、雑賀鉄砲衆の意地を見せて、出来る限り信長の軍勢を押しやり、一向宗の橋頭堡を堅持すべく僧兵頭は考える。




無論十万に及ぶ信長の軍勢を前にして、命があるとは考えてはいない。




この決戦は言わば捨て身の決戦なのだ。





それを念頭に置きながら、僧兵頭は種子島を置き、まるでその種子島を御仏から拝領したがごとく合掌をして念仏を唱え、願を掛けた。




信長は延暦寺を焼き打ちにして皆殺しを計り、浄土真宗、一向宗をもその毒牙にかけようとしている、前代未聞の仏敵。




仏敵ならば、信長を放置すれば、仏法全体が滅ぼされかねない。





信心深い雑賀衆の者にしてみれば、そんな蛮行は断固放置出来ず、正に驚天動地、言語道断の極みであり、信長と刺し違えてでも、御仏の道を護るべく、信長打倒を期すと、そう僧兵頭は自分を奮い立てた。


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