戦国哀歌117
信長は大湊での船調達が出来ない真相を知るに及んで、烈火の如く怒った?
改竄されていない真相を早く知れるか、遅く知るかで、生き死にの事情が変わるのは現代も当時も変わらない?
信長の伊勢平定を受けて、各地の一向宗掃討戦は益々熾烈残忍さを増して行く。
当然水面下での謀略内通戦も激しさを増し、その分断工作は腐臭をも醸し出す権力闘争、内乱をも勃発せしめ、一向宗に萌芽した民主主義にも下剋上の風潮が浸透しながら、陰りを見せ、戦いは佳境を迎えて行く。
信長は大湊での船調達が出来ない真相を知るに及んで、烈火のごとく怒り、長島一向宗に与した福島親子を処刑断罪に処し、制海権を奪取しているわけだが、この辺りにも当時の知謀謀略内通戦が窺え知れて面白いわけだ。
謀略内通相乱れる当時に在って、情報が改竄、巷にデマゴーグとして流布すれば、メディアはなく、多角度の捉らえ方は出来ない事を利した情報戦は、畢竟間者、隠密の暗躍をエスカレートさせるわけだが、この信長が真相を知る時期が妙に遅かったと言う事柄にも、私は知謀戦の熾烈さ、妙味を感じるわけだ。
改竄されていない情報が早く伝わるか遅れるかで、生き死にの事情は変わる。
それは当時も現代も変わらない事情と言う事だ。
恐ろしい程に。
 




