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戦国哀歌105

伏兵が一斉に立ち上がり、信長本隊を襲撃した。

葦が生い茂る緩い勾配から連なる山林を左手に、右手に滔々と流れる川に挟まれた隘路。




信長本隊が縦一列となり、その悪路を踏みしだき連なっている。




それを葦に紛れて待ち伏せしていた無数の伏兵が号令いっか立ち上がり、一斉に狙いを定めて鉄砲を撃ち、矢を放つ。




矢は一人の足軽の首と胸を同時に射抜き、白目を剥いて血へどを吐き出し、薙ぎ倒して行く傍らで、反射的に鉄砲で応戦しようとしたもう一人の鉄砲足軽の甲冑を刺し貫き、もんどり打って転倒させ、動きを封じて行く。





瞬時に硝煙の臭いが戦場に立ち込め、整然とした一向衆の弓部隊と鉄砲隊が、逃げ惑い怒号を上げて大混乱を来たしている信長の軍勢に、無数の矢を射かけ、発砲して行く。





「しんがりを立てろ!」





「もっと上様を庇え!」





「怯むな!」





「弓隊、応戦するのじゃ!」





そんな推移を冷静沈着に推し量りながら、僧兵頭がほふくしている才蔵の傍らで、射程距離外の信長目掛けて、火繩銃を発砲し、外して言った。





「駄目じゃ。もう少し射程距離に入らないと命中しない」

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