常盤探偵事務所
「依頼がいつ来るかなぁ?」
ソファーに横になっているオレの助手矢野佐久良が天井を向いたまま呟いている。
「依頼がないのは平和の証でもあったじゃねぇのか?」
「何それ?常盤先生は聖人ですか?依頼がないと依頼金もないですよ、せめて今月の家賃をかせがないと。」
「まぁ、なんくるないさー」
痛い所に突かれた。頭を掻きながら適度なことしか言えなかった。
『お客さんのお出まし』
?
「サプライズ♪一週前くらい前に変わったけど、ついに常盤先生に聞こえる。」
どうやら呼び鈴の声か。イタズラしすぎないのか?と言いたいけどお客さんのお出ましから後で叱る。
玄関には男女一人ずつ入れた。
「あのすいません、今依頼が受けられますが?」
男の方から尋ねた。
「もちろん、こちらへどうぞ。」
ソファーに案内したお客さんは腰をかけた。
矢野は既にお茶の準備をするためにファーから離れたが、ダラダラしているどころみられていないよなぁ?助手さんよ。
オレは依頼人の正面のソファーに腰をかけた。
目の前に映った依頼人の顔色は結構悪く見えた、多分長時間にろくな睡眠がとっていないだろう。
女性の依頼人が涙が出て隣の男性の肩に伏せている。事情を尋ねたくても躊躇になる。
「お茶どうぞ。」
沈黙を打破したのは助手から恐る恐るな一言だった。
「実は娘は行方不明になった,最後の連絡は昨晩7時だった。9時になった時何回電話をかけても通じなかった。門限の10時になっても帰ってこんないから警察署に行方不明者届をしたが、反抗期じゃないのか、一日も経ってないのに過保護じゃないのかって言われた。」
男性は女性を落ち着くために頭を撫でなから説明が始めました。
行方不明か確かに原因は色々あると思うが、男性のトーンを聞けば思うどころあるだろう。
「警察が言っていることの可能性を捨てたからこちに辿るだろうけど、その根拠は伺ってもいいですか?」
「前に喧嘩してもちゃんと門限まで帰るから、それに喧嘩中は話したくないだろうかちゃんとラインでメッセージを残すから。」
男性は視線をオレから外して床に向けたまま理由を述べた。
「なるほど、つまり不測な事情じゃないから連絡は途切れないと考えているってことか。」
理由として不足と思うが、彼の娘の像を疑うべきどこらじゃない。今は安心させることは優先するべき。
「ならできるだけ情報が欲しい、例えばインスタグラムのアカウントとか、人間関係とか、気になることならどんな些細なことでもいい。」
インスタグラムなどのSNSアカウントを提供して、親しい友人の情報なども渡した。
娘の名前は夏目咲希と言う、15才高校一年。
そして夏目は他に有用な情報を回想したかのように目を閉じた。
やがて一つを思いついたみたいに目がぱっと開いた。
「夏椿。」
「ナツ、ツバキ?」
見当がない単語を言って2、3秒を待ってても続きが来ないので復唱した。
「娘が赤い夏椿を見たいって。」
「赤い夏椿!私も知ってるネットでは話題になったあの赤い夏椿の畑ですよね。」
オレの背後に立っている矢野が反応した。
「そう、娘は直接見たって言った気がした。」
夏目は娘のインスタグラムを開け、フォローしている人は赤い夏椿の畑を背景にした写真はいくつを発見した。
正直綺麗だと思う、直接見たくなるのも納得がいく。かと言って花を見にいくと行方不明の関係は果たしてあるのか?
気持ちの整理が終わった女性依頼人、つまり夏目妻(仮)も会話に加わる。
半時間くらいの会話は特筆な情報がないと思った。
「これは前払いの10万円です、見つかる次第での報酬は20万円になります。ぜひ娘を」
夏目は10万円を入れた封筒を丁寧にテーブルに置いた。
「こちらこそ、必ず娘さんのことを見つけます!」
オレの目が封筒を向けたまま言っただろう、夏目妻は懐疑な目でオレを見る。まぁ実績を出せばいいってことだ。
最後に連絡方法を交換した後依頼人は事務所を後にした。男性の依頼人の名は夏目勝彦。妻のほうは自己紹介しないまま上で連絡先も旦那の方だけ、名前は謎のままでした。
「やった、家賃滞納の問題はは解消した。」
「ドア閉めたばかりでしょう、依頼人に聞きたら大変じゃん!」
一般の行方不明事件と思う、でもそれは誤算だった。