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無冠の皇帝  作者: 有喜多亜里
【05】始まりの終わり(中)
145/169

29 何があっても許せませんでした

 司令官が配置図を発信してから六日後。

 ドレイクが断言したとおり、アルスターは隊を率いて出撃した。

 ただし、今回の配置は左翼の後衛。これまで、元ウェーバー大佐隊――今はパラディン大佐隊が、なし崩しに押しつけられていた配置である。

 一方、前衛となったパラディン大佐隊は、後衛だった前回と同様、自隊を二組に分けていた。つまり、彼らは配置が換わっても、アルスター大佐隊とは連携しない道を選んだのである。そのせいで、アルスター大佐隊はパラディン大佐隊に前方を塞がれているような状態になっていた。


「今回、アルスター大佐はどう攻めるつもりなんでしょうね?」


 ――あれでは、得意の背面攻撃はできないのではないか?

 通信席のモニタを眺めながら、暗にイルホンが訊ねると、艦長席でインカムをいじっていたドレイクは愉快そうに笑った。


「そうだな。どうするつもりなんだろうな。まあ、パラディン大佐隊の真似はしようと思ってもできないだろうから、できれば、パラディン大佐のいる中央のほうの援護をしてもらいたいところだが」

「できればって……」

「できればだよ。それができれば、今回は〝栄転〟にはならないだろ」


 それはドレイクの本意ではないはずだが、彼が想定している最悪の事態よりはましだろう。五日前、司令官にクッキーを届けたついでに、あんな〝お願い〟をしてきたのはそのためだ。未確定のことだからか、今度は見返りの要求はされなかったそうだが。


「でも、ほんとに殿下にお知らせしなくていいんですか?」


 すでに何度もしている質問を、イルホンはまた口にした。


「今日は、大佐が〈ワイバーン〉じゃなくて〈レフト〉にいると」


 そうなのだ。

 今日、ドレイクとイルホンが乗艦しているのは、前回の戦闘後に入手した〈新型〉二号――通称〈レフト〉なのである。

 乗組員の顔ぶれは、操縦士・スミス。砲撃手・ギブスン。情報処理・ディック。機関制御・グイン。

 いつもはこちらにいる、フォルカス・キメイス・ウィルヘルムの三人は、今回限定で〈ワイバーン〉に異動してもらっている。

 作戦説明では、何のためにそうするかも説明されていたが、スミスとギブスンは歓喜し、フォルカスとキメイスは落胆していた。特にスミスは嬉しかったようで、配置につくまでの間、ここぞとばかりにドレイクと話をしていた。もっとも、その内容のほとんどは、アルスターに対する怒りと、フォルカスに関する愚痴だったが。


「だって、しょうがないじゃない」


 苦笑いしながら、ドレイクもまた同じ答えを繰り返す。


「〝もう〈ワイバーン〉にしか乗らない〟って宣言しちゃった手前、言うに言えないでしょ?」

「いずれにしろ、〝殿下通信〟入れられたら、一発でバレます」

「トイレ行ってることに……」

「殿下だったら、出てくるまで待つって絶対言います」

「……〈レフト〉と〈ライト〉は〈ワイバーン〉の一部なんです、両翼なんですって屁理屈こねてみる?」

「殿下の機嫌がよければそれで納得してくれるかもしれませんが。まあ、そのときにはうまく殿下を言いくるめてください。大佐の得意分野でしょ」


 ドレイクはインカムを持ったまま、真剣な顔で呟いた。


「最高級チョコの詰め合わせ、贈っとくか」

「上官への贈答は厳禁です。ただし、司令官から要求された場合は除く」


 * * *


 ドレイク大佐隊員たちにとって、〈ワイバーン〉の艦長席は玉座にも等しい。

 ドレイクの命令で一時的に座ることはあっても、そこはやはり彼のための席なのだ。

 しかし、そんな席に最初から艦長として座る羽目になったフォルカスは、〈ワイバーン〉が配置についても、暗い顔でコンソールに片肘をついていた。


「まさか、大佐のいない〈ワイバーン〉の艦長席に、俺が座らされるとはな……」

「サブシートじゃ、モニタが見られないだろうが」


 懐かしい〈ワイバーン〉の通信席から、キメイスは笑いながらフォルカスを茶化す。

 ちなみに、機関席にはウィルヘルムがいて、すでに夢の国へと旅立っていた。が、〈レフト〉組と同様、〈ワイバーン〉組――マシム・シェルドン・ティプトリーにもまったく気にされていなかった。

 艦長席に〝整備監督〟がいるからだろうが、そこまで計算して寝ているのだとしたら、なかなかどうして賢い男である。


「モニタの問題じゃねえよ。大佐がいないのが問題なんだよ。まあ、変更があればインカムで指示するとは言ってたけどなあ。やっぱ不安だ」


 確かに、フォルカスの気持ちはキメイスにもよくわかる。

 久しぶりに〈ワイバーン〉に乗れたのは嬉しいが、そこにドレイクがいないと、まるで本物の〈ワイバーン〉ではないように感じてしまうのだ。


「大佐は大佐で、左翼の後衛が不安なんだろ。こっそり〈レフト〉艦長になるくらい」

「左翼の後衛っつーか、アルスターだろ?」


 片肘をついたまま、うんざりしたようにフォルカスが切り返す。


「ウェーバーみたいに旗艦とりには来ないだろうけどな。持ち場離れて前衛に戻ってきそうだよな、あいつ」

「もし、それをやったら、殿下に即行〝強制撤収〟されるな」

「むしろ、そっちのほうがありがたい」

「まあ、左翼は大佐がどうにかするさ。俺らはいつもの仕事を着実に」

「いつもの仕事……」


 フォルカスは鸚鵡返しすると、両手で白金髪(プラチナブロンド)の頭を抱えこんだ。


「何で〈ライト〉に指示出すのも俺の仕事なんだよ……〈ライト〉とは話したくねえ……」

「おまえと直接話せるのはオールディスさんだけだろ」

「でもおまえ、聞くだけならインカムなくても全員できるようにしてただろうが」

「それはしょうがないだろ。大佐命令だ」


 真顔で答えたキメイスだったが、ドレイクの狙いは何となく見当はついていた。


「いい機会だ、六班長にお願いしてみたらどうだ? 『六班長、俺のために旗艦落として』。たぶん、これだけで記録は大幅に更新される」


 はっきりセイルの名前を出されたフォルカスは、顔を上げると案の定、心底嫌そうにキメイスを睨みつけた。


「砲撃するのは、ラッセルさんだろ……」

「旗艦に()()近づけなけりゃ、落としたくても落とせないだろうが」


 そのときだった。

 寡黙な〈ワイバーン〉の操縦士が、前を向いたまま口を挟んだ。


「フォルカスさん。〈ワイバーン〉で落としますか?」


 フォルカスは軽く紺碧の目を見張ったが、すぐにばつが悪そうに笑った。

 年下のマシムに気を遣われたのが、嬉しかった反面、恥ずかしかったのだろう。


「いや。やっぱり〈ライト〉のほうが早く落とせるからな。……右翼強いから」

「何なんだろうな、あの強さ。左翼にちょっと分けてやれよ」


 キメイスは冗談のつもりだったが、フォルカスは真面目に受け答えた。


「分けるんなら、左翼の前衛のほうだな。今日は後衛だけど」


 * * *


 「連合」の今回の布陣も、ドレイクいわく〝馬鹿の一つ覚え〟だった。

 パラディン大佐隊が前回と作戦を変えなかったのも、二組で「連合」の右翼を挟撃するためだろう。ゼロ・アワーを迎えると、どちらも放たれた猟犬のように飛び出していき、すみやかに迎撃態勢をとった。

 一方、後衛のアルスター大佐隊はというと、パラディン大佐隊の後を追うように、砲撃隊形のまま前進した。


「さすがに、パラディン大佐隊の真似はしませんね」


 艦長席の前に立っていたドレイクに、イルホンがそう声をかけると、彼は嘲笑に近い笑みを浮かべた。


「したくてもできないだろ。技術的にも、心情的にも」

「うちはこのまま、アルスター大佐の〈カラド〉を護衛しつづけるんですか?」


 〈レフト〉の操縦士・スミスが、前を向いたままドレイクに問う。

 ちなみに、〈カラド〉とは〈カラドボルグ〉の略である。もちろん、略したのはドレイクだ。司令官の乗艦〈フラガラック〉と同様に、〈カラドボルグ〉もドレイクには長すぎるらしい。


「うーん。護衛というより監視だな。妙な動きをしたら止める」

「妙な動き? ……今の時点で、すでに妙ですけど」


 横から揶揄するように口を挟んできたのは、砲撃手のギブスンだ。

 他の隊なら確実に不遜と言われそうな態度だが、ドレイクがそんなことを気にする〝大佐〟だったら、今ここにギブスンはいないだろう。


「たぶん、まだ悩んでるんだろ。どこでどう戦ったらいいか。後衛じゃ、いつもの背面攻撃はできないしな」

「身も蓋もないですね」


 情報処理席にいるディックが、モニタに目を落としたまま、苦笑いする。

 砲撃出身だったが、スミスの熱血指導により、そこそこ使えるようになったそうだ。

 ディックたちにはとりわけ厳しいスミスが〝そこそこ〟と言うのなら、ティプトリーよりやや劣る程度なのだろう。少なくとも、イルホンよりは上に違いない。


「それにしても、徹底してるよな」


 艦長席のモニタを覗きこんで、感心したようにドレイクが笑う。


「今回も、アルスター大佐隊はまったく当てにしていない。自分たちと無人艦だけでどうにかする気だ」

「確かに。でも、今のアルスター大佐隊なら、当てにするだけ無駄ですよね」

「言うねえ、イルホンくん。でも、異論はまったくないよ」

「しかし、前回も思いましたけど、あのパラディン大佐がこれほど思いきった作戦をとるとは……本当に、人は見かけによりませんね」

「ああ、それね。たぶん、パラディン大佐は、戦術的なことはほとんど四班長に丸投げしてる」


 さらりと言われてイルホンは、一拍遅れてドレイクを振り返った。


「え! 丸投げ!?」

「ほら、コールタンくんが四班長は〝大佐代行〟だって言ってたじゃない。あれは誇張でも何でもなくて、事実そのままだよ。四班長は俺の〝弟〟にばっさり切られて、いまだに立ち直れずにいるから、無私無欲でパラディン大佐と同僚たちのために働いてるんだろ」


 イルホンは、思わず自分の口を覆って呟いた。


「かわいそう……四班長、かわいそう……」

「まあ、それが四班長の〝贖罪〟なんだろうな。でも、パラディン大佐の下で、そういう形で〝贖罪〟できるのは、幸せなことなんじゃないか? だから、まだ退役していない。本当に辞めたかったら、どんな手を使ってでも辞めてただろ」

「……あの人、そんなに悪いことしてたんでしょうか……」

「さあ……とりあえず、この()()にキメイスが乗ってなくてよかったね。こんな話、あいつの前じゃできないよ。元マクスウェル大佐隊員の前でも」


 ちなみに、機関席にはその元マクスウェル大佐隊員のグインがいるのだが、整備三人組の中でいちばん聡い彼は沈黙を守っていた。

 もしかしたらドレイクはグインの存在をうっかり失念していたのかもしれない。だが、遠回しにキメイスには言うなよと圧力をかけているようにも感じる。そこはイルホンにも判断しかねたので、グインのことはあえて指摘しないでおいた。


「そういえば、四班長から具体的にどんな仕打ちを受けたか、キメイスさんは絶対言いませんね」

「そうだな。ということは、あいつも多少は自分に非があったと思ってるのかな」

「え?」

「まったく非がなかったら、俺らに切々と訴えてるだろ。まあ、フォルカスには話してるかもしれないけどな。同じ元マクスウェル大佐隊員のよしみで」

「六班長は?」

「どうだろな……キメイスとは面識はなかったみたいだけど。きっと、他の班のいざこざには興味なかったんじゃない? フォルカスのことで頭がいっぱいで」

「そんな真顔で!」


 イルホンがそう突っこんだとき、ディックが弾んだ声を上げた。


「大佐! 〈ライト〉が旗艦落としました!」


 今のドレイクはインカムを装着している。通常なら〈ライト〉のオールディスがインカムでドレイクに報告していただろう。

 しかし、ドレイクには自分が話したいとき以外はインカムのスイッチを切るという悪癖がある。このときもそうだったのか、ディックの報告を聞いてからニヤリと笑った。


「噂をすれば影」

「え? 早くないですか!?」


 イルホンは何度も時計を確認したが、ドレイクは涼しい顔で受け流した。


「きっと、フォルカスが『六班長、頑張って』って言ったんだよ」

「そんなこと、あるわけないじゃないですか……」

「それか、今日はフォルカスが〈ワイバーン〉に乗ってるから、自分の勇姿を見てもらおうと思って超張り切った」

「あの人のモチベーション、常にフォルカスさんなんですね」

「ふふ……フォルカスを〈ワイバーン〉の艦長席に座らせて正解だったな」

「え、そんな理由で!?」

「あいつが〈ワイバーン〉にいるだけで、〈ライト〉だけでなく〈ワイバーン〉の操縦士のテンションも上がる!」


 それを受けて、情報処理のディックが叫ぶ。


「あ、ほんとだ! 〈ワイバーン〉がキレキレだ!」

「悪い人……!」

「もうそれ、褒め言葉だと思うことにしたよ」

「大佐、アルスター大佐隊のほうはダレダレですが。……どうします?」


 今のところいちばん仕事をしているスミスが、冷静にドレイクに訊ねる。

 〈レフト〉は〈カラドボルグ〉を護衛している無人砲撃艦群の中に潜んでいるのだが、〈カラドボルグ〉を含むアルスター大佐隊は、パラディン大佐隊に加勢するわけでもなく、中央に向かって前進を続けていた。


「どうせもう〝栄転〟だと開き直っちまったかな。……うちは戦闘終了になるまで〈カラド〉に張りついてる。パラディン大佐隊が前衛で頑張ってくれてるから、ダレダレでも無人艦でフォローしきれるだろ」

「イエッサー」

「……これはもう〝栄転〟レベルですか?」


 期待をこめてイルホンが問うと、ドレイクは苦笑を漏らした。


「まだ微妙だな。パラディン大佐隊の邪魔をしたら、確実に〝栄転〟なんだが」

「これで微妙……」

「だから、今まで切りたくても切れなかった。さすがベテランだな」

「悪い意味でのベテランですね」

「今日は毒舌冴えまくってるね、イルホンくん。……ディック、『連合』の残存戦力は?」

「約八〇〇隻です!」

「早いな。有人艦一〇〇隻、ほとんど仕事してないのに」

「大佐……」

「だから、余計に怖い。……護衛隊に異動させてたら、こんな心配はしなくて済んだんだがな」


 ドレイクがそう言った直後だった。


「大佐! アルスター大佐隊、急発進しました!」


 ディックの悲鳴のような声が、ブリッジ内に響き渡った。

 イルホンたちは息を呑んだ。が、ドレイクは間髪を入れず指示を飛ばした。


「追え! 〈カラド〉だけを追え! ギブスン! 射程圏内の『連合』、片っ端から撃ち落とせ!」

「イエッサー!」


 手元のモニタで確認すると、アルスター大佐隊――否、〈カラドボルグ〉は、「連合」の右翼正面をめざして疾走していた。

 この艦隊でそのような攻撃方法をとるものは、自爆前提の無人突撃艦群のみである。とどのつまり、アルスターはそういう選択をしたのだ。


「大佐が心配していたことが現実になってしまいましたね」

「まったく、こんなことだけ期待に応えないでほしいよな。……イルホンくん。インカム用意して」

「了解しました」

「大佐! 〈カラド〉、被弾しました! しかし、進行方向変わりません!」


 ディックの声が悲愴感に満ちている。

 かつて、彼の同僚たちの軍艦は無人艦に見捨てられて撃沈した。しかし、今の〈カラドボルグ〉は無人艦を振り切るように「連合」に突っこもうとしている。無人艦がどれほど我が身を犠牲にしようとも、そんな軍艦を完全に守り抜くのは不可能だ。


「どうしても〝上官命令〟には逆らえないか。……イルホンくん」

「はい。……どうぞ」


 通信席に置いてある、イルホン自身は滅多に使わないインカムをドレイクに差し出す。

 ドレイクはそのインカムをつかむと、マイク部分に向かって声を張った。


「殿下ーッ! アルスター大佐隊、強制撤収ッ! てめえが幕引きするのに部下を道連れにする奴ぁ、何があっても許せねえッ!」


 * * *


「くそう! 『今日は大佐いないから〈ワイバーン〉に楽させてください』って言っただけなのに、本当に記録大幅更新された!」


 頭を抱えているフォルカスに、今回ばかりはキメイスも呆れて叫んだ。


「凶悪すぎる〝お願い〟だろ! シェルドンの仕事まで減らしてるぞ!」


 シェルドンは砲撃に集中しているため何も言わなかったが、決して手隙ではないマシムとティプトリーはこっそり言葉を交わしていた。


「〈ライト〉は今、地獄だな……」

「ああ……特にラッセルさんが……」

「すいません……ほんとすいません……こんなことなら、何も言わないほうがよかった……!」


 あくまでラッセルに対して謝っているフォルカスを見ながら、キメイスは思わず呟いた。


「六班長……おまえの〝お願い〟、どこまで叶えてくれるんだろうな……」

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― 新着の感想 ―
[一言] あかんよ大佐ぁ〜 特攻は孤独にしないと!脱出ポットかなんかで一人でしてくれ!! 部下の巻き込みダメ絶対!! そんな戦場で散るのが有終の美みたいな自分本意な考えは… 人が死ぬのは殿下が嫌がって…
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