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【書籍化】追放聖女のどろんこ農園生活 〜いつのまにか隣国を救ってしまいました〜  作者: よどら文鳥


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40話 フラフレは聖なる力にようやく気がつく

『どうか、この農園に美味しくて栄養のある野菜が育ちますように』

『どうか、元気で昆虫さんたちも生活できるような土になりますように』


 私は聖女の力を失っているはずだ。

 だから、もう一度農園に足を踏み入れ、普段やっている聖なる力の解放のイメージトレーニングを二人の前でやってみせた。

 すぐにアクアたちのほうへと戻る。


「ほら、こうやって二回も聖なる力の詠唱をしても全然疲れないし、きっと力なくしちゃってるんだよ……」

「後ろを見てごらんなさい」

「はい?」


 ミラーシャさんは笑みを浮かべながら農園を指差す。

 アクアも信じられないといったような顔をしながら口を大きく開いたままだ。


 私も農園に視線を向けると……。


「あれ……? さっきまでは芽が出ていなかったのに……」


 しかも、そう言っている間に高速で野菜がすくすくと育っていくのだ。

 普段私が地下牢で野菜を育てていたときの何倍ものスピードで成長している。


「これでわかったかしらね? アンタの聖なる力で実っていることが」

「うそ……信じられない……。だって、全然力を使った感覚が……」

「それだけアンタの力が規格外になったってことだろうね。アタシが現役時代にこれだけの力を使ったら全速力で走り続ける感覚になって、疲労で倒れてただろうね。でも、アンタにとってはこの程度の力だったら散歩しているのと同じ感覚なのでしょう」


 試しにもう一度この場所から聖なる力を農園に向かってさらに発動してみた。

 そうしたら、野菜があっという間に実ってしまった。

 ようやく実感が湧いてきた。


「でも、どうしてこんなに力が……。ハーベスト王国にいたころよりも力が溢れているみたい……」

「栄養と外の空気をしっかりと吸収して、無理のない生活をしていれば身体だって聖なる力だって本調子になるものよ」


 リバーサイド王国に来てからは、まるで天国のような生活をしていた。

 一方、ハーベスト王国では常に地下牢で暮らしていたし、食事もろくに食べていなかった。

 つまり、今の私なら本来の力を発揮できるというわけか。


「はぁ……、フラフレ様の規格外さがよく理解できました……。凄いというよりももはや常人離れと言いますかなんというか……」


 アクアの言葉を聞いて、私はハッとした。

 このまま他の人の耳にも聖女の情報が入ってしまい、私は毎日どろんこ遊びをする生活ができなくなってしまうのではないかと不安になった。


「うーーん……うーーぅぅぅうう……」


 私は頭を抱えながら悩んだ。

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追放聖女のどろんこ農園生活 ~いつのまにか隣国を救ってしまいました~
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