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37話 フラフレはたくさんの農園から依頼を受ける

「フラフレ様。以前ご提案いただいた一般の農園で作物を育てるという件ですが……」

「なんでそんなに困った顔をしているの?」


 遊び場が増えそうだし、私は満面の笑みをしていた。

 だが、その一方でアクアはものすごく申し訳ないといったような表情になっているのだ。


「それが……、ただ『どろんこ遊びをさせたい』とだけで募集をかけてもどこからも応募は来ないと判断し、『王宮から配給している野菜を作っている人があなたの畑にお邪魔します』とネタを含ませた告知をしまして……」

「うんうんっ♪ それで?」

「王都にある全ての農場からオファーが来てしまいました……。申し訳ございません!!」


 アクアが頭を深く下げて謝罪してきた。

 どうしてアクアがこんなにも謝ってくるのか謎だ。


「むしろ、ありがとう!!」


 王都中の土と挨拶ができるなんて、これ以上嬉しいことがあるだろうか。

 私はその旨を詳しく話した。


「しかし……、全ての農場となると、とても一日で回れるような数ではありません。全部で七十七箇所、存在しているので……」

「うん、順番に回っていこ♪」

「はぁ……フラフレ様というお方は……」


 幸い、ここ最近は毎日晴れている。

 どろんこ遊びには絶好の天気だ。


 私自身も毎朝なんちゃって聖女として祈りを捧げてはいるが、疲労がないところを考えればこれは自然の力で晴れになったに違いない。

 聖女として国に貢献できない以上、私はひたすらどろんこ遊びを楽しんで野菜を育てることにした。


「王宮の農園で遊んでからになるけれど、さっそく今日から他の農園に行ってみたい」

「本当に良いのですか!? 順番に回るとはいえ、全部の農園に聖なる……じゃなくてどろんこ遊びをされていたらフラフレ様の体力が……」

「うーん……、でも遊びには行きたいし……。無理しない範囲で順番に回るってことじゃダメかな?」

「フラフレ様がそう仰るのでしたら止めはしません。むしろ、今回の企画は国そのものを救ってくださるようなものだと思いますし」

「大袈裟な……」


 遊び場が一気に増えて楽しみがさらに増えた。

 私はこんなに幸せな毎日を送れてしまって良いのだろうか。

 むしろ私のほうから報酬というのを支払ったほうが良いんじゃないかと思ってしまう。


「ここに飾ってある金貨……、これからお世話になる農園の人たちにお礼で渡したほうが……」

「決してそんなことはしないでくださいね!!」

「う……うん、わかった」


 うーん……、世の中の仕組みって難しいや。

ここまで読んでくださりありがとうございます。


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追放聖女のどろんこ農園生活 ~いつのまにか隣国を救ってしまいました~
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