表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/118

21話 フラフレは金貨を見て興奮する

「本題に入ろうか。中には金貨が五十枚入っている。これでフラフレ殿が作った野菜を買い取らせてほしいのだ」


 フォルスト陛下は中身を取り出し金貨を見せてくれた。

 平らなピカピカは手のひらサイズで、稲穂を咥えた鳥の絵が彫刻されている。

 その美しさについ見惚れてしまった。


「綺麗な石ですね~。同じようなものがいっぱいですし、一枚だけいただきます」

「記念品ではないわっ! ……まさか、金貨の価値をわかっていないのか? 金貨が五十枚あれば、庶民が一般的な生活をしていたら概ね四年生活できる額だ」


 そう言われても、実感が湧かない。

 そもそも、あの野菜に何年も生活できてしまうほどの価値はあるのだろうか。

 ピカピカしてて綺麗だし、飾っておきたいとは思うけれど。


「フラフレ殿よ。キミは王宮の裏庭にある状態の悪い農園にて、非常に見事な野菜を育ててくれた。それもたったの一日で……。この功績はとんでもないことなのだよ」

「うーん、あまり実感は湧かないですね。毎日生き抜くため……こほん、毎日趣味で野菜を育てていましたから、ずっと農園で野菜を育てられたら最高なんですけれど」

「本当か!? むしろ、交渉したいのはその件だ。フラフレ殿が農作業を望まれるのならばずっと王宮にいてくれると助かる。それくらいにキミの成果は凄まじい!」


 思いも寄らない提案をされて、私の目はさぞギラギラ輝いたことだろう。

 つい、フォルスト陛下の顔の近くまで近づいて再度確認を取る。


「毎日野菜を育てられる上に、王宮にいても良いのですか!?」

「無論だ。フラフレ殿の功績を考えれば、むしろこちらから頼もうとしていた」

「つまり……、しばらくは土と遊んでいられるのですね……。ううぅっ!」


 嬉しさのあまり、うっすらと涙を浮かべてしまった。


「フラフレ殿は本当に不思議な子だな。ところで金貨は受け取ってくれるかい?」

「あぁ……野菜を買い取ると仰いましたね」

「うむ。もちろん全て大事に使わせてもらう。主に民間人へ配給する予定だ」

「どういうことですか?」

「実はな──」


 フォルスト陛下が、詳しく話してくれた。

 リバーサイド王国はずっと雨が降り続けていたため作物がかなり育ちづらく、主にハーベスト王国から高額で食べ物を仕入れていたこと。

 それでも満足のいく食材は確保できず、私が作った野菜はとても貴重だという。


「そうだったのですね……」

「今までは恥を忍んで国の宝を金の代わりに支払って野菜を仕入れていた。だが私はハーベスト王国との不当な交易は続けたくない。フラフレ殿、キミから野菜を買い取りたいのだ」

「はい!? なぜそこまで!?」

「それだけフラフレ殿の作った野菜には価値がある。実は少しだけ見させてもらったのだが、野菜の色、見た目、ハリ等どれを取っても素晴らしかった」


 私は足りない頭で頑張って考えてみた。

ここまで読んでくださりありがとうございます。


下の方に☆☆☆☆☆の評価マークがありますので、「フラフレちゃん、天然で可愛い〜」などと思ってくれたら、ポチッと押してくださると作者は喜びます。

ぜひよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
★書籍版公式ページはこちら!! 書籍、電子書籍と共に2月10日発売予定!

追放聖女のどろんこ農園生活 ~いつのまにか隣国を救ってしまいました~
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ