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帝国との戦争(2)

 ウォーリング帝国との戦争のため、最前線の砦に着いた。

 まずは、王様に聖女到着の報告をすることになり、砦の会議室へ向かう。


「うむ。入れ」


 王様の待つ部屋に入ると、鎧を着た人が4人、紙がたくさん机に広がっていた。

 真ん中に金髪と金のヒゲを生やし、売ると高そうなマントをつけた、王様っぽい人がいる。


「そなたらが勇者と聖女だな。ワシは国王。ガイアス・トリバルディアだ」

「はい。こちらは勇者エリオット。こちらは聖女リリア様です」


 ナンシーさんが紹介してくれる。


「このような汚いところへ来てもらい感謝している。現在我が軍は押されているので、勇者の協力はとてもありがたい。よろしくたのむぞ」

「うん。任せてー」

「はい。僕にできることは全力でやらせていただきます」


 王様の横にいる金髪美少女が少し前に出る。青い目がキレイだ。

 鎧は着ていないが、体にぴったりした服を着ている。胸はナンシーさんくらいあるが、くびれが凄い。何食べてるんだろ?

 キリッとした顔をしている。


「私はサラ・トリバルディア。第1王女です。我が軍は帝国軍の将軍レバルドゥージを倒すことができず、次々に兵を失っております。しかし、レバルドゥージさえ倒せば帝国軍は勢いを無くし、我が軍でも勝利できると確信しております」

「わかりました。僕がそのレバルドゥージを倒します」

「流石は勇者様。頼りにしております」


 口調は硬いが、僕が倒すっていうと微笑む。

 笑うとかわいいタイプね。


 バタンッ


 扉が勢いよく開いた。

 急いだ様子の兵士が出てきて、サラ王女へ向かって話し出す。


「報告します。現在、避難中のナーダ村にレバルドゥージが現れ。村を襲っております」

「なに?いつの間に」

「なんらかのスキルを使い、急接近したようです。至急救援をお願いします」

「わかった。下がってよいぞ。お前も少し休め」

「いえ、私はすぐ戻ります。あそこには私の家族がいるんです」

「その前にケガを治せ。傷だらけじゃないか。あそこには、我が軍の精鋭部隊も待機しているだろう」

「いえ、ですが……」


 よく見ると兵士は血と泥のついた鎧で、左目には大きな切り傷がついている。

 こんなケガじゃ戦えない。


「リリア。ヒールを」

「うん。ヒール」


 兵士は緑の光に包まれ、ケガはすっかり治った。


「おお、これが聖女の治癒魔法」


 僕たち以外が驚いている。

 僕はサラ王女に話しかける。


「あの、僕が救援に向かいます」

「はい……お願いします。勇者様をナーダ村まで移動させてくれ」


 避難中の村ということは、村人もいるかもしれない。

 帝国軍は村人でも関係なく殺すような奴らしい。放っておけない。


「兵士さん。僕と一緒に村を救いに行きましょう」

「ありがとうございます。勇者様。私の村まで案内いたします」


 報告に来た兵士はエレンと名乗った。

 エレンさんは商人スキルを持ち、馬車を高速移動できるとのことで、僕たち急いでナーダ村へ向かった。



--------



 ナーダ村に近づくと、悲鳴や爆発音、金属がぶつかりあう音が聞こえてくる。

 村へ続く道は石が積み上げられている。


「ウィンドブラスト」

 ボカァンッ


 ナンシーさんの魔法で石が吹き飛ぶが、馬車が進むにはデコボコが多い。


「ここからは走ります。エレンさん。案内してください」

「はい。勇者様ついてきてください」


 僕たちは馬車をおりて走る。


 村が見えるところに入ると、家は燃やされ、たくさんの人が血だらけで倒れていた。

 倒れている人には普通の恰好の人もいる。

 その周りに、黒い鎧の兵士がゲラゲラ笑っている。


「ウィンドカッター」

 ビュウウッ


 ナンシーさんが黒い鎧を着ている兵士を切り刻む。

 村人を見ると1人だけなんとか生きている。


「ヒール」


 リリアの魔法で治るが、すぐに寝てしまった。

 ひどく疲れているようだ。


「エリオット。この先にレバルドゥージがいるはずよ。急ぎましょう」

「はい」


 ゲラゲラ笑っている兵士はナンシーさんが遠くから切り刻んでいく。

 気づいた奴がいても、切り刻んでいく。

 ナンシーさんの魔法は強力なようだ。


 僕たちは、悲鳴が多く聞こえてくる村の中心を目指して走る。



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