表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/15

 翌日、剣術大会に出場するため、広場へ向かった。

 広場はコロシアムのように改造されていて、戦うためのリングのほかに客席や出店がある。

 まるでお祭り騒ぎ。

 なんでも、各地の剣豪たちが一堂に会するらしい。


 「頑張ってね! レイス!」


 「ああ、優勝賞金はいただきだ!」


 俺とソフィアが意気込んでいると、後ろから声を掛けられる。


 「あれ? レイスじゃないか」


 「ウ、ウィリアム! それに、ミアまで……」


 そこには、俺の兄であるウィリアムと、元婚約者のミアがいた。

 ウィリアムが意地の悪い笑みを浮かべて挑発してくる。


 「おいおい。まさか、お前も剣術大会に出場するのか?」


 「そうだ。悪いか?」


 「ぷっ。俺よりも弱いお前がか? あははは。こりゃあ、この大会もたいしたことないな」


 ウィリアムが高笑いをすると、後ろでミアも失笑する。

 その様子を見てソフィアが憤慨した。


 「なによ。あんたなんか、私のレイスがけちょんけちょんにするんだからね!」


 「ああ?……ん、んな! なんだこの美少女は!」

 

 ウィリアムがソフィアを見て目を剝く。

 

 「お、おおおお、お前ら! 一体どういう関係だ!?」

 

 「どうって? ああ、レイスは私の婚約者よ? なにか問題でも?」


 えええええ。

 そんな話しましたっけ?


 「な、なにぃ!? こんな美人がレイスの婚約者!? 本当なのか、レイス!!」


 「え? ああ、まあ、そうみたいだな」


 「お、お前、ミアと破談になった途端にもっといい女に乗り換えたのか!? この浮気者!!」


 いやいや、どの口が言うんだ。

 お前らが勝手に俺を捨てたんだろ。


 ウィリアムの発言にミアが嫌な顔をする。


 「ウィリアムさん。もっといい女ってどういうことですか?」


 「え? ああ、その、言葉のあやだよ」


 まあ、当然の評価だよな。

 ミアの見た目は、まあ悪くはない。だけど、顔は普通で、体は胴長寸胴のお子様体形だ。

 着飾っているからマシに見えるが、女の子としては中の下ってところだ。

 俺が好きだったのは、彼女の優しい純朴な性格だったのだが、今となってはそれも嘘とわかっている。

 一方のソフィアは、小顔で背が高く、足も長い。

 整った顔に、長いまつ毛、漂い出る女性としての香りは男を狂わせる。


 ウィリアムはミアとソフィアを見比べ、悔しそうに歯噛みしている。


 こらこら、そんなあからさまに悔しがるなよ。

 ミアが般若のような顔になってるぞ。

 これ以上は喧嘩になる。ここらで引き揚げたほうがよさそうだ。


 「じゃあな、ウィリアム、ミア、お互い頑張ろう」


 「ちょ、調子に乗るなよ! お前と戦うことになったら、容赦しないからな!」

 

 そう言って、ウィリアムはミアを引き連れて去っていった。


 さてさて、どうなることやら。



 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ