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17 夜の警備
俺が屋敷に戻ると玄関口で涼香殿とバッタリ鉢合わせした。してしまった。
「兄上は、時々、夜、お帰りが遅い時がございますね? どちらにおいでなのですか?」
おどおどしながら、意を決したように涼香殿は俺にそんな質問を投げかけてくる。
え~と、廓!!
な~んて、言えないので、言えるはずもないので、心で叫んだ。母上も内緒にしていただいているのだな。
「兄は、夜、田畑の警戒をしておるのだ。愛刀、国光と共に」
「え? そうなのですか? さすがは兄上でございます。私はてっきり廓屋にでもいらしているのでは無いかと夜ごと悶々としておりましたが……よかった。少しでも邪な気持ちを持った涼香を叱ってください」
パッと表情が和らいで笑顔になった。
いやいや、大正解!
凄いよ、涼香殿。俺を見つめる無垢な視線が痛い。
次回、見つかった。




