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18 闇夜の犯行

異世界でコンビニバイト生活が始まった。何だか感慨深いなぁ~。


、、、って、全然客が来ない!


モンクいわく夜は葉巻きが売れるらしいが日中はいつもこんなんらしい。

よくよく考えるとコンビニとは便利ではあるが安いわけではない。この街は問屋街のような感じがする。

多分ここで買うよりそれぞれの店で買った方が安いのだろう。相場がよくわからんが。

つまり、各種雑貨が揃っていて1度に買えるとしても、この街に来るような人には魅力がないのかもしれない。


俺がファミカについてあれこれ考えている間、つぼみとモンクはくっちゃべってるだけだ。さすがに腹立ってくるな。

まぁ、とにかくこのビジネスモデルはこの街では向いていないのだろう。場所の移動を提案しようとモンクに話しかけようとしても、つぼみがナチュラルに立ちはだかって、話す機会を奪ってくる。コイツはどういうつもりなんだ!?



気付けばもう夜になったが、数時間で客は数えるほど来なかった。

つぼみとモンクは一切仕事をしていない。まじ売り込みだけでもかけてこいよ!

夜になったからと、つぼみとモンクは銭湯へ行くと言って出ていった。また俺は1人で店番だ。

つぼみとモンクが帰ってきた。飯も食ってきたようだ。

俺も銭湯へと思ったが、戻ってきたつぼみとモンクはすぐに荷車の中で眠りについた。また俺は1人で店番だ。


、、、もうこれキレていいよね??


ちなみに俺は全く眠気がない。夜はもともと夜勤慣れで眠くなりにくいのもあるが、イノシシを食ってから明らかに疲れと眠気を感じなくなった。滋養強壮にも程がある。


荷車は俺なら引けそうだし、このゴミ達は捨てて新たなビジネスパートナーでも探そうかな!


夜は葉巻きが売れるとモンクは言っていたが対して売れもせず、気分転換にと辺りを彷徨いていたら、何やら怪しい人影が路地に入っていくのが見えた。

どうせ客来てないだろうし暇なので後をつけてみよう!


複数の人影は民家に侵入していった。つまりこれは窃盗だ!

こりゃ、民家から出てきたところを狙って成敗してくれるわ!

つぼみ達も呼ぶか迷ったが、どうせ役に立ちそうもないため1人で待ち伏せることにした。


しばらくすると民家から人影が出てきた。5人ってところだ。

それぞれの手には何やら膨らんだ袋がある。盗んだ金品だろう。

颯爽と退治してやろうとしたとき、ふと頭をよぎった。


俺って戦える力なくね?


急に足が重くなり1歩が踏み出せなくなった。心臓のバクバクが止まらない。

でも、犯罪を見て見ぬふりもできないよなぁ。。。


ぐずぐずしているうちに、5人がこちらに向かって歩きだしてきた。どうしようどうしよ。。。


痛っ!!!


いきなり横腹に痛みが走った!

横腹を手で触れると濡れている。後ろから刺された!?

後ろを振り向こうとしたら、次は後頭部に鈍い音が響いた。鈍器かなにかで殴られたようだ。

俺はその場に倒れてしまった。やばい、意識が遠くなっていく。


「まさかつけられていたとはな」

「念のためトドメを刺しておけ」


それ以上の言葉は聞き取れなかった。。。



目を開くと俺は荷車にいた。日はすでに上っている。

なんだか記憶があやふやだ。俺は確か窃盗団を見つけてそのあと、、、


ハッ!!!

すっと体を起こすとつぼみとモンクが近くにいた。2人とも俺を見て動揺している。ま、まさかさっきの窃盗団に薬でも盛られて、かの名探偵と同じ状態にでもなっているのか!?

子どもの姿にはなっていないようだ。ちょっと残念。

ていうか、俺横腹刺されていたよな!?横腹を触ってみるが傷が見当たらない。つなぎが破れているところを見ると、刺されたことは事実だと思う。というかつなぎがボロッボロの血だらけだ!

何がどうなっている!?

なぜかおどおどしているつぼみに聞いてみた。


つぼみの話によると、グースカ寝ていたつぼみとモンクは、何やら不穏な気配を感じて飛び起きたら、俺が荷車に向かって歩いてきていたらしい。ちなみに全く記憶にない!

荷車に乗ると俺は無言のまま横になったそうだ。つぼみとモンクは俺が歩いてきた方向が気になって見に行くと、7人の男達が血だらけで倒れていたらしい。


倒れていた男達は指名手配中の窃盗グループ「七光り」のメンバーだったようで、先ほど警備隊に連行されていったとのこと。

「七光り」はそれぞれがかなりの実力者らしいが、ほとんど抵抗なくやられていたようだ。

俺が意識を失っていた間、誰かが助けてくれたのだろうか!?

2人とも誰がやったのかは分からないらしい。

まぁ、何はともあれ助かった!


服は血だらけだが体の痛みや傷はない。イノシシ由来の生命力のおかげか回復したようだ。


とりあえず血だらけの服を何とかしないとな。せっかくモンクの奢りで手に入れたのにもったいないな。


「モンク、悪いけどちょっと服を買いに、、、」


服買う金を借りようとした俺の言葉は途中で遮られる。


「すっすぐに買いに行ってきますっ!」


モンクは駆け足で出ていった。


「どうしたアイツ?まぁいいや。つぼみ!店番を、、、」


「わっ、わたしが店番するから心配しないで!!優は休んでていいよ!」


2人ともなんか様子が変だ。怯えている?

俺が血だらけだったから??

よく分からないがとりあえずまったりすることにした。


不思議なことに、今日は客がチラホラ来ている。


「モンクさん聞きましたよ!あなたが窃盗団捕まえたんですってね!私も困ってたしありがとね!せめてお返しに買わなきゃね」


どうやら「七光り」をモンクが捕まえたと噂になり、人が集まってきているようだ。噂だけが先走り、今更見つけただけなどとは言い出せない状態なんだろう。


モンクは次々と話しかけてくる人の対応に追われている。つぼみはたどたどしい感じだが接客をしている。

なんだかバイトしだした頃の自分を見てるみたいに感じる。


「姉ちゃん!アルチューロの葉巻きを3つくれ!」


「あ、あるちゅーろ?どれだ!?」


つぼみがもたついている。

ハァ~。コンビニで働くならタバコの銘柄は記憶しておかないとな。俺は昨日お前がサボっていた間に覚えたぞ!

仕方がないので取ってやった。


「あっ、ありがと」


ボソッと言った。コイツもちゃんと礼が言えるんだな。

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