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15 早速後悔?

まさかつぼみとパーティー結成することになるとは。我ながら何が起こるか分からないものだなぁ。


とにかく当面の目的はこの世界について調べ、現実世界に戻る方法を模索することだ。

俺は今、何らかの理由で夢だと思っていた世界から抜け出せなくなっている。時間感覚が異なっただけの夢であれば良いが、異世界に来てしまったとなれば大いに問題である。

この状況になる前は、こっちの世界に行きたいとばかり思っていたのに、来たら来たで戻りたいと思ってしまう。

興味が湧いてやってみたら、意外とそうでもなかった的なことってあるよなぁ、、、ホームシックなだけ?


とりあえず今はジェー教から逃げつつ、安定した拠点を構えたい。


「とりあえずウリボ村を目指すぞ」


俺はリーダーぶって方針を伝えた。


「絶対に嫌!!」


いきなり対立したよ。おいおいまだパーティー結成して1分くらいしか経ってないぞ!

もちろん理由を求める。


「意気揚々と村を出てすぐ戻るとかバカみたいじゃん!」


バカのくせに何言ってんだ。ようは恥ずかしいからか。

こういうタイプはプライドが高いんだろう。気持ちは分からなくもないけど。

どう説得するか考えていたら、続けてつぼみが言う。


「それにウリボ村はのぼら山の反対側になるから、行くにはトンネルを通る必要があるけど、今すぐは絶対見張りがいそうだから無理。しばらくは隠れてやり過ごすべき」


意外とまともな意見だったー。バカなのか冷静なのかわかんない。いきなり真面目になるのやめてくれよ、調子狂う。

やっぱり1人では怖いのだろうか。結構ツンデレ!?


「ところで、そのボロッボロの服はどうにかならないわけ?」


言われて思い出した。俺はボロボロになったロートンの服を着たままだったのだ。


「どっかで服を調達しましょ?その珍妙なデザインは目立つし、このままじゃすぐにバレるわ!人の口にドアは立てられないって習わなかった?」


ドア?ほぼ一緒だけど違くね!?まあ、つぼみはバカっぽいから変な覚え方をしたんだろう。

てか、珍妙って失礼だろ。ロートンに謝れ!!!


服を調達するにも、俺はこの世界のお金など持っていない。


「俺、カネ持ってないぞ?」


つぼみは途端にその場を離れようと背中を向けたため、首根っこを掴んだ。

こいつまさか、この期に及んで俺の金目当てだったりしたのだろうか??

つぼみは冷や汗を浮かべ、目を合わせずに言った。


「私も服変えたりしたいけど、もうお金持ってない。。。」


文無し2人パーティー、完全に舐めてるな。。。

それに今後あの黒服達に見つかったら十中八九戦闘になるだろうが、つぼみは戦えなさそうだし。

もしかしてこいつ、びっくりするくらい使えないのでは!?


無駄に逃げ足だけは早いからある程度は逃げられるかもしれないが、囲まれたら終わりだ。つぼみはともかく俺は殺されるだろうなぁ。

俺は力の操り方がまだ掴めていない。発揮するための条件があるのか、それともここまでで力のほとんどを使いきってしまったのか。

ちょっと前までは、何が起きてもどうせ夢だと思っていたが、夢じゃない感が尋常じゃなくなっている。死ぬような事態は避けたい。もっと慎重に行動しておけば良かった。。。


はぁ。。。なんか、半分ノリでパーティー結成しちゃったけど解消したくなってきた。。。俺はやはり優柔不断だ。。。


そもそもつぼみと一緒に行動するのって、咲ちゃんと疑似デート感を味わえる以外に良いことないんじゃね!?、、、それだけでも十分かも??考えまとまらねぇな!

まぁでも、最悪嫌になったらジェー教にでも何でも売り払ってしまえば良いだろう。1度決めてしまった以上、頑張ってみるしかないか。


とりあえず黒服達に出会わないよう、林を抜けて別の街か村を目指すことにした。



なんか、改めて顔を見てもやはり咲ちゃんにそっくりだ。これってつぼみが喋らずにいれば咲ちゃんとデートじゃん!状況おかしいけど。

胸が高まりかけたが、こいつは黙るような口ではない。


「優は一瞬だけ強そうだったのになんでザコなの?ていうか、何者?」


いちいち腹立つな、おい。なんで力が出せないのかは俺が教えてほしいわ!どういう状況か俺が1番分からないってのに。

現実の俺が生きてるのか死んでるのかも分からない。さすがに死んでることはないだろう。まだ若いし。


あまり期待はできないが、つぼみからある程度情報を貰いたいところだ。

異世界やゲームだとすれば、この世の敵となる存在がいるのが定石だろう。まずはその辺の世界観を確認したい。

試しに俺は自分のことを正直に伝えることにした。


「驚かずに聞け。俺はこの世界の人間ではない。だからこの世界について詳しくない。聞くが、この世界に魔王と呼ばれるような存在はいるか?」


「、、、ハァ?何言ってんの?まおうってなに?頭おかしいんじゃない?」


マジうぜーなこいつ!力の操り方覚えたら、俺が魔王になってやろうか!

一切驚くこともなく罵ってくるあたり、異世界人発言も信用していないか。


「スライムとかゴブリンというのは聞いたことあるか?」


異世界の定番モンスターだ。


「、、、病院行った方がいいんじゃない?」


つぼみは瞼ひとつ動かすことなく冷徹な目で言ってきた。

さすがに人をバカにしすぎだろ。バカのくせに!


怒りが頂点に達し、男女平等制裁を加えてやろうと考えていたら、つぼみが面倒くさそうな顔をして言う。


「はぁ~。仕方ないからそのごっこ遊びに付き合ってあげるわ。この世界は、街やら村やらが宗教組織を持って独立してる。無宗教のところもあったような。で、そのまおうとか何とかは知らないけど、龍やドラゴンなんかはただの空想。」


龍とドラゴンは同じでは?という疑問はそっと秘めておこう。


「一般人以外に、亜人ってのを聞いたことがあるけど、会ったことある人はほとんどいないんじゃないかな~」


どうやらこの世界は現実世界とほとんど同じだ。亜人がいるようだが、口ぶりからすると希少種なのだろう。


思ったよりも情報を得られた。

とにかく今はさっさと林を抜けて、金と服の調達だ。

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