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10 この一撃に全てを賭ける!

あっつい。まじあっつい。。。


なんなんだこれ!まるで火を吹きそう、というか火を纏っているかのようだ!!

俺は大岩のすぐ横で突っ伏せている。

もう全く動けない。力を使い果たしたのだろうか。

前回見ていた夢では、眠くなってきて気がついたら夢から覚めていたのだが、今回は眠気を全く感じない。現実世界で悪魔を取り込みすぎたのだろうか??


つーか、前回に比べて今回災難多すぎないか!?これが2回目のジンクスってやつ?(2回目のジンクスってなに!?)



もうこの熱さに限界と、白旗の旗のように体を右往左往していたら、突然全身に何か大きな衝撃が走った。


心臓が大きくドクンとしたような、でも何か痛みを感じたわけでもなく一瞬の出来事だった。

その途端、さっきまでずっと全身を蝕んでいた異様な熱さがなぜか綺麗さっぱり消えた!


何か大きなしがらみから解放されたような気分だ!そしていきなり強烈な睡魔が襲ってきた。

全く考える間もなく瞼が降りていった。。。



フンフンフンフンフンフンフンフン


ハッ!

いきなり目が覚めた。何か本能が生命の危機を訴えてきた気がしたのだ!

辺りを見回すとさっきまでと同じ場所にいる。

そして目の前に、、、


イノシシいるーーーーー!!!!!


ちょっと待って、俺一体どれだけ寝ていたんだ!?今何時なんだ!?、、、って、そんなことどうでも良い!


どっ、どうしよこの状況。俺死にますやん。。。

逃げてもすぐ追いかけてくるだろ。ならもう迎え討つしかない!!

で、でも銃とか持ってないし。あんなの素手じゃ絶対倒せないよな。。。

な、何か硬いものでもあれば、、、あ!!!


突っ込んでくるイノシシに対し真横にステップした俺は、ポケットの中に右手を突っ込んだ。


これに賭けるしかない!


握りしめた右手に異様なほど力が入っていることに気付く間もなく、俺は全力でイノシシの横っ面にカチカチのドングリを投げつけた。


パーーーーーン!!!


静寂な森の中でライフルを撃ったような鋭い音が鳴り響いた。

イノシシのこめかみ辺りになるだろうか。自分が一番驚くほどの速さで放たれたドングリがめり込んだ。カチカチだったドングリはぶつかった衝撃でバラバラに砕け散った。


正直ちょっと怯ませて逃げる時間でも稼ごう程度に思っていただけだったのだが、まさかの倒してしまった!


それにしてもなぜこのイノシシはこれほどまで俺に執着していたのだろうか。

目の前で横たわるイノシシに目をやると、なんだか安らかな表情をしているようにも見える。でも白目向いてるし勘違いか?


思えば、イノシシに出くわす前、ぶつかったような跡がある木を何本も見てきた。このイノシシが手当たり次第ぶつかっていたのだろうか。

目的は?何か落とそうとでもしていたのか?


、、、もしや、イノシシはこのドングリを探して木にぶつかり、ドングリめがけて俺に襲いかかって来たのではないか!?


ドングリに助けられたのだがドングリのせいで殺されかけたようだ。とんだ出来レースである。。。


さて、仕留めてしまった以上このまま放置はマズイだろう。不法投棄で訴えられても嫌だし。

仕留めた側が果たすべき最低限の礼儀は美味しく食すことだろう。高木がいつも言ってたし。

実は高木に連れられて何度か狩の現場に立ち会ったことがある。(なんか恥ずかしかったから興味無さそうにしていたが、結構興味があったことは高木にはナイショにしている)

猟師達は罠にかかったイノシシを見つけると、トドメを差しすぐに解体する。手捌きもさることながら、すぐに血抜きされて捌かれた肉はとても綺麗なピンク色で、ものすごく美味しかった記憶がある。


高木に捌き方もっと教わっとけば良かった。。。でもあいつにそんなこと言ったら調子のりそうだったし。

とりあえず丸焼きにする?皮だけ取れば大体食えるだろ。でもでかすぎて焼けないか?生焼けのイノシシはさすがに怖いし。やっぱり捌くしかない?ていうかそもそも、、、


火も刃物もないわ。


ゲームの世界なら勝手にボタン鍋とかになっているだろうに。全部自力かぁ。そういうとこは現実主義だよね、この夢。

火起こしの経験なんてないぞ。現実世界ではコンロでいつでも火が使えるし、肉も切ってあるやつ買ってくれば切る技術もいらない。からあげさんは揚げるだけでできるし。そう思うと恵まれてるんだなぁ。


イノシシ調理を諦め、どう処理しようかと考えていたらイノシシの牙が目に入った。金色に輝き刀のようなサイズと鋭さだ。これで捌けるんじゃね??


本気でチョップとかしたら取れないかな?

普通ならあり得ないが、先のイノシシ戦であり得ない力を発揮できたので試してみる気になった。


自分の力を全て右腕に注ぐイメージで、牙の根元へ思いっきり手刀を振り下ろした。見事に牙を折ることが出来た!

ついでにもう片方も折ってみることにした。折るには折れたが、さっきより明らかに威力が落ちていた。折れたというより割れたという方が正しいか。腕も何か痛くなったし。

まぁでも2本もゲットできたし良しとしよう!

そして同時に気付いたことがある。


強く心に描いて行動すると、信仰の力(f a i t h)を発動させることができると分かったのだ。モブ山賊をビンタしたときもイノシシにドングリを投げたときも、強く心に決めていたら力が湧いた。何も信仰していないから原理はよく分からないが。

それにより、火問題も解決できそうだ。


地面に落ちている葉っぱをテキトーに集めた。

目をつむり呼吸を整える。火を強くイメージする方法は簡単だ。なぜなら先ほどまで火に包まれたかのような熱さに襲われていたからだ。

熱さに襲われていた自分をイメージすると、指先から微かな火が発生した。


思ったより火が小さい。。。バーナーくらいのつもりがチャッカマン程度しか勢いがない。うーん、力の制御がイマイチ掴めないなぁ。


指先に灯る弱々しい火を大事そうに葉っぱへ近づける。消え入りそうになりながらも優しく息を吹き続けたら何とか葉っぱに火が移った!初めての火起こし成功だ!地味にめっちゃ嬉しい。


火が安定したところで、早速調理開始だ!

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