表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/86

打ち明け話 1

次回予告が一日ズレてました……

なんで気付かなかったんだろ



拠点の家に着いた五人。

主の帰宅の気配を感じ取り、当然のように扉を開け、出迎える執事とメイド。


「「「お帰りなさいませ」」」


その様に、一歩後退るラキュオス。町外れのあばら家に執事とメイド……当然の反応だろう。


「まどかお嬢様、お客様ですかな?」


「あぁ。中で説明するよ。それと……みんなにも、聞いて欲しい話も、ある」


「まどか様ー、腹減って死にそうっすよー」


「おや、お食事に行かれたのでは無かったのですか?」


「まぁ、いろいろあってね」


みんなは、ジョーカーの用意した食事をとり、ひと息ついた。テーブルに料理が並ぶと、スンスンと鼻を鳴らし、ぱちりと目を覚ましたらっくは、食事中もまどかの膝の上から降りなかった。

ラキュオスが諌めたり、ハンスが剥がそうとして、顔に四本の赤い線を付けられたり、いろいろ試した結果、みんな諦めたからである。


「この方はラキュオス。私と同じ辺境のギルドで冒険者になった、言わば先輩だ。」


まどかが赤いグローブに刺繍された、二枚の羽根の紋章を見せると、ラキュオスも鎧の肩にある同じ紋章を見せた。


「そして……」


僅かに言い淀むまどか。意を決したのか、周囲に風魔術で音を遮断する結界を張ると、


「なぁ、らっく、お前ひょっとして……」


「にぃ?」


「公園で弱ってたのを拾われた、子猫のらっくか?その……たっちゃんってヤツに拾われた……」


「ん!そうだにぃ!たっちゃん知ってるにぃ?」


「ん、まぁ、知ってると言うか……そうか……らっく、お前、生まれ変わって、今の姿になったんだろ?」


「んー、いっぱいお祈りしたらなったにぃ」


「あ、うん。それと同じように、た、たっちゃんが生まれ変わったのが、わ、私なんだよ」


「にぃ?うーん……わからないにぃ」


「そ、そうか……」


らっくはしばらく、まどかの膝の上でゴロゴロしながら、時折スンスンと匂いを嗅ぐ。ふにゃりと表情が緩み、体重を預けると、


「わからないけど、たっちゃんだにぃ!」


まどかがらっくの頭をぽふぽふすると、


「あったかい手、お日様みたいな匂い、安心するお膝の上……たっちゃんだにぃ」


「らっく、よく来たな」


そこで、ようやくフリーズが解けた皆が、一斉に喋り出す。


「ど、え?コウエンってなんすか?」

「え、ハンスさん、引っ掛かるのそこ?ってまどか!言っちゃったの?」

「ふむ。どうやらメグミお嬢様は、ご存知だったのですね」

「お、おい、その話、私に聞かせて良かったのか?にわかには信じられぬが、それが本当なら、奇跡と言う言葉でさえ表しきれんぞ!」

「「やはり。だからまどかお嬢様は、人の域を超えているのですね」」


「ま、まぁ落ち着いて。らっくも居るし、隠していてもしょうがない。もう一つ、私は元々、男だった」


「そんなことはどうでもいいっす!」

「ま、まどか、私も言っちゃった方がいいかな?」

「ほう。それが、まどかお嬢様の力の一端なのでございますね」

「そうか。見た目は若いが、私以上の経験があると言うわけか。どうリで強い訳だ」

「「流石はまどかお嬢様」」


「へ?」

(いやいや、俺結構勇気振り絞って、衝撃の事実的に言ったのに、あっさりスルー?なんのために今まで悩んでたんだか……)


「ムニムニ……たっちゃん……」


大騒ぎの中、らっくだけは幸せそうに、まどかの膝の上で丸くなるのだった。

次回投稿は、20日の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ