いきさつと今後について
全話読み返してて、つまんないと思ったんですが、自分なりに頑張ります
ピチョン…
ピチョン…
洞窟内の水滴が落ちる音が聞こえる。
外は今、日が昇っていた。
ゾンビであるヒビキは、日光に晒されれば、確実にお陀仏になる。なので洞窟の中で、シキ、フィンズにこれまでのいきさつを説明していた。木の板で。
「ゾンビパウダー…ね」
フィンズが呟く。
重々しい雰囲気が広がる。フィンズは俺がゾンビになったことを悲しく思ってるんだろう。とても暗い表情をしていた。
ま、どっちにしろ、今までの行いに対してバチが当たったんだろうな。と俺は考える。神様を信じてるわけではないが。
「いや、その前によぉ、オヤジの縄張りに、その?赤い衣野郎がいたわけだろ?なにもんだよ?オヤジが気付かないわけがねえよ。」
シキが悩む。シキが悩む姿は珍しい。いつも食べ物のことばかり考えてる奴が。
どうせ今も食べ物のことでも考えてるんじゃないかと、疑うレベルだ。チキンバードの丸焼きとか考えてそう。
でも確かにそれは後で気付いた。
オヤジは匂いだけで獲物を辿ってるわけではない。気配や、魔力を察知してくれる。
今まで、それで何回も俺達を助けてくれた。
地下の研究所で相手した奴らは、そんなに強そうではなかったのだが。
「とにかく、僕らはああいう人達とは関わらない方がいいのかもしれない。それより、3人でさ、冒険者にならない?ギルドで登録してさ?」
「アアウッ!アーーーーーーーッアーーッ」
「うわあああっ!」
俺がいきなり大声を出したから、二人は驚く。そうだ。俺は人や動物にとって、不快な声しか出せないらしい。自覚はなかったんだけどなぁ…
あと、匂いも相当きついらしい。自覚はなかったんだけどなぁ…
俺は自重する。
[冒険者やりたい 色んな所行って モンスターと戦いたい 最終的にドラゴンとか]
「冒険者かぁ、なぁ冒険者って、ぶっ倒したモンスター食えるのか?オークとかチキンバードとか」
シキはよだれをたらす。
フィンズは答える。
「もちろん! それに、取った素材は、ギルドに持っていけば、お金を貰えるんだよ!!」
[一攫千金も夢じゃない]
それに対し、シキは目を輝かせる。
「ギルドって、焼き肉屋みたいなもんか?早くギルド行きてぇ!!!」
その返しにフィンズと俺は爆笑する。
「あはははははははははは!」
「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「ッ!! いやだから、いきなり雄叫びあげるのやめて?」
フィンズ、シキのテンションが一気に下がり、場は静まるのであった。
俺達が世話になった、コウロ街に別れを告げる。
オヤジが二人を見捨てて申し訳ないと伝えてきたそうだが、なにも気にしていない。オヤジがいなかったら、俺たちは無様に死んでいただろうから。
こうして、3人の冒険の幕が開くのだった。