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火を扱いし青年

深い森の中。大きい緑の何かが這いずっていた。それは大きな蟷螂だった、鎌の片方は根から切り裂かれ。足も三本見当たらない。羽も全て斬り落とされている、触角と目も片方は潰されている状態だ。だが大きい蟷螂は気にせず何かから逃げるように這いずる。しばらくすると蟷螂はその場で止まり呼吸を整え始めた。だが刹那、蟷螂の首から身体全てが斬り刻まれた。


「蟷螂野郎、最後まで油断するな。ここは戦場だ」


青年は絶命している蟷螂の死体を背に頭につけてる通信機の電源を入れる。


「こちら古龍、依頼された蟲型は全て死亡を確認」

「分かったわ。本部に帰還して来て報告をお願い」

「了解」


青年はその場から跳び、木を蹴りながら空中を移動する。そうこの森。



未知者のアンノウンフォレスト



から出る為に


___________________________________________


俺達の本部はそう大きい訳では無い。この世界観はメタい話、前の話を見ればわかる。ここの地域の本部はそうだなぁ。暗殺○室と思ってくれ、そうこうしているうちに本部に着いたので会議室に入る


「失礼します。古龍帰還しました」

「ご苦労様。紅匁君、硬くならなくて良い」

「ありがとうございます。ですがお気になさらず」


会議室には十名の女性が椅子に座っていた


「取り敢えず報告をしてくれ」

この人は霧枚一葉キリマイカズハ先輩。ここの異種対策本部の最高責任者であり、此処で最も強い人だ。


「わかりました。依頼の蟲型十体は殺しました」

「そうか。それよりもパラサキスに誘拐された人達はどうだった。男性8人、女性5人、男の子3人と聞いているが」

「男性8人分、男の子3人分の骨が蟲型の巣の近くに落ちていました。恐らく喰われた後でしょう。女性に関しては生きてはいましたが卵を産み付けられて精神崩壊していました」

「そうか。それで女性の人達は?」

「殺しました」

「は?」

「殺しました」


その場の空気が凍ったかと思った瞬間、横の女性に胸倉を掴まれ壁に投げられた。この人は鮫島遠子サメジマトオコ先輩だ。


「てめぇ!生きている人を殺したのか!」

「そうですけど?何か問題が?」


率直に言うと俺は先輩方の半分くらいには嫌われている。何故かは大体分かるだろう。


「お前は、生きている人間を平気で殺せるのか!」

「先輩。お言葉ですが、蟲型。いや、異種に卵を産み付けられた人がまともになれますか?」

「なんだと?」

「村に帰っても、よく帰ってきた。など言われず白い目で見られるだけ、挙げ句の果てには虐めが起こる。そんな環境に普通の人が耐えれますかね?結局、異種に攫われて無事に帰って来れなかったら、死ぬのは運命なんですよ」

「その為に私達が!」

「俺達が全部の異種を食い止められる訳じゃ無いんだ!私達が入ればそんな事は起こらない?寝言は寝てから言え!」

「はいはい、そこまでそこまで」

一葉先輩は俺と遠子先輩の間に入る。


「遠子ちゃんも紅匁君も暑くならない」

「すいません」

「一葉・・・」


俺は会議室から出てバックを背負いある場所に向かう


___________________________________________


「紅匁君ももうちょっと協調性が欲しいのよね」

「一葉先輩。さっきの人は?」


この女性は立花白タチバナハク。紅匁より後に入隊した者


「さっきの子は古龍紅匁君。貴方の一つ上よ」

「あんな人が居るんですね」

「生きている人間を平気で殺すなんてどんな神経しているんだ」

「古龍先輩はどこに行ったんですか?」

「親族に遺品やお骨を持って行っているのよ」


___________________________________________


俺はある一軒家を訪ねた。

「すいません。異種対策本部の者です」

「入ってください」


出迎えてくれたのは男性の被害者のお父さんだ。


「息子は助からなかったんですね」

「すいません。俺達がいや、俺が最も蟲型の巣を発見していれば」

「いえ、本部の方々は悪くありません。私が喧嘩をしてしまったから」

「息子さんが多分自分の血で遺書を書いていました。地面だったので紙に写してきました」


「親父へ

多分これを読んでいる頃には俺はこの世にいないだろう。全く俺は親不孝者だよな、親父俺が悪かったんだ。少しの事で頭に血が上って勝手に怒って家を飛び出してこのザマさ。けれど親父.、俺は親父と一緒に生きてて楽しかったぜ。親父も年だからこっちに来るのも遅く無いけどよ。なるべく遅く来いよ、じゃあな

息子より」


読み終えるとお父さんは涙を流した。俺はそっと立ち上がり息子さんのお骨を置いて家を出た。この後も違う家に上がってはを繰り返した。



「終わった」


俺は遺書やお骨をそれぞれの家に置いて帰ってきたら遠子先輩が剣を持って

「手合わせしろ」

とか言ってきた。


「いや何でなんですか」

「一葉に「紅匁君の実力を見てみれば面白いよ」とか言われたのでな」

「はぁあの人は昔っから」


周りに違う先輩や後輩もいるので断れる雰囲気では無かったので素直に腰の二本の刀の内、比べると少し短い刀を抜く。遠子先輩の能力は拡張、確か攻撃範囲を拡張して内部まで衝撃を振動させる事も可能。


(だが問題なのは拡張範囲の限界を知らない事だ)

「斬る!」


俺は地を蹴り、正面に跳ぶ。拡張範囲がわからないので剣の上段攻撃は横に思いっきり跳ぶ。


「ちっ」

「拡張範囲がわからなければ手出しが出来ないようだな」


俺はその後、攻撃を跳んで避けてを繰り返した。


___________________________________________

10分ぐらいだった頃


「はぁはぁ、避けるのだけは上手いな」

「・・・・・」


ただ静かに刀を収め、抜刀術の構えを取る。


「次で、次の一手で決める」

「出来るかな?」


遠子先輩は剣を振り上げ走ってくる。


「言っときますが、俺が斬ると言った以上。あんたの敗北は絶対だ」

俺は刀を素早く抜き遠子先輩の刀を折る。いや折るのではない溶かす。俺の刀は炎を纏っていた。


「遠子先輩。相手の情報は入手しときましょう。第一さっきの蟲型に攫われた人の話の時も不自然に思ってくださいよ。蟲型が骨だけ残して肉を食べるなんてできるわけないでしょ」


そう!紅匁は残っていた肉を焼いて削ぎ落としたのだ。

「俺の能力は火を扱う能力。不完全能力ではありませんよ」


そう言いながら俺は自分部屋に向かって歩いた


パラサキス 別名 蟷螂異種 分類 蟲型異種


体長2メートル 高さ3メートル 重さ100キロ前後


普段から四体から五体で生息している。木の根元に巣を作りそこに人を入れる。手の鎌は並大抵の武器では傷をつけれず戦車の砲弾でも切り裂く。蟲型にしては珍しく知能が高い。


攻 ☆×6 硬 ☆×5 速 ☆×6 集 ☆×4

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