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夢物語
「うゎ~」っと睦子は布団を蹴って飛び起きる。何だ、夢か。そうよね、幾ら何んでも御手洗くんが夜尿症なんて全体にあり得ない。御手洗君、夢とは言え御免ねと、ペコリと謝りながらも、睦子の夜尿症の事が知られたのが夢で良かった。それにしても、嫌な夢だった。余りにも悪夢で全身寝汗も凄い。それに相変わらず、オムツもグッショリで重い。毎度の日課で浴室でオムツを手洗いしシャワーを浴びて洗濯機を廻す。慣れとは言え年頃の女性には辛くて情けない。涙も一緒に流す。浴室から出て今朝もおねしょで汚したオムツを干しながら、気丈に振る舞って鏡に笑顔が映るまで見つめ気持ちを切り替えて、と自身に言い聞かせる。気を取り戻した睦子は、鏡に向かって、神妙な表情で、もしも、御手洗君が睦子と同じ夜尿症だったら、何だか嬉しい。でも、睦子だけ夜尿症だったら、御手洗君は睦子はの事、どう思うかしら❓好きな訳無いよね、御手洗君じゃ無くても、二十歳過ぎても、毎晩、おねしょの為オムツを充てて寝る女性、絶対に好きになら無いよね、世の中に絶対に好きな男性無いよね。