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5話 「決意と神様」


俺、退学の危機…


幼なじみのアリサと帰宅途中、俺は先輩から送られたメールをみて絶叫する。


「どうしたの?イクト?」


「終わった…」


「何が終わったの?」


「先輩と退学をかけて闘うことはになったんだ…」


「えええぇ〜?なんでそんなことに?断りなさいよ!


「それは、できない。なんせ俺がその戦いを了承してしまったから」


まさか条件付きで決闘申請するなんて…俺も同行するべきだった…今更申請をとりやめにするのも厳しそうだ


「ど、どうするの?」不安そうな顔をしてアリサが聞いてくる。


「か、勝つしかない」


単純明快に言えばそうだ、勝てばいい。だがその勝つのが難しい。なんせ俺は中等部上がりの底辺だからだ。一般試験に勝ち残った奴を合わせても俺ほど弱い奴はいないだろう。

しかも、相手は先輩だ。2年の中でどれほど強いかは分からないが、進級したということはそれ相応の実力があるはずだ。


「そんな…無謀だよ」


「そうかもな」


俺は適当に返事をした。それから会話は続くことなく駅前のケーキ屋で妹へのお土産を買い帰った。


ーーー


「お前、ここ曲がるよな。」


「うん、」何か言いたそうな顔をしている。


「どうした?俺、もう帰るぞ」


「絶対勝ってね…」彼女はうつむきながら何かを言っている。小さくてなんと言っているか分からない…


「えっ?」俺が聞くと


「勝ちなさいよって言ってるの!!!」

彼女はそう言い俺に腹パンしてきた…

理不尽だ…


「あんたがいなくなると寂しいって言うか…もう一緒に学校行けなくなるじゃない」

彼女は頬を僅かに染めながらそう言った。


「そっか、そうだよな!俺もアリサと学校行くの楽しいし、別れるのはやだなぁ…」


「なっ!」彼女はさらに顔を赤く染めながらこう言った


「べ、別にあんたなんか居なくなってもいいんだからぁ!」


「どっちだよ…」


「と、とにかく勝ちなさいよね、バイバイ!」 彼女はそう言って帰って行った。



「さて、俺も帰るか…」





ーー家ーー



「ただいま〜」


「あ、お兄ちゃんおかえりー、学校どうでしたか?、友達できましたかー?」


「まぁーそれなりに…」 言えない…絶対言えない。初日から退学の危機なんて…妹に余計な心配をかける訳にはいかない。


「そーですか〜、それは良かったです!もうすぐ夕飯できるので風呂入っちゃてください。」


「あー悪いな、いつも家事任して」


友利が産まれて間もない頃、母が死んだ。父は色々な所へ出張に行っているので年に数回しか帰ってこない。だから実質俺と妹の二人暮らしだ。


「いえいえ〜嫁入り修行ですから〜、気にしないで下さい」




ーー部屋にてーー


俺は妹と夕飯を済ましTVを見た後自分の部屋に戻った。


「することねぇ〜なぁ〜、とりあえず戦いのシミュレーションするか」 俺は目を瞑った。


「大変じゃなぁ〜」


「????」どこからか声がする。


「誰?ってかここどこ?」 いつの間にか真っ暗だった視界が辺り一面、白くなっている。


「私は神様じゃ、ここは神が人間と干渉するためのスペースじゃ、君に良いことを教えてやろうと思ってね」


「か、神様!!実在するんだ…てか良いことって?」


「君は幼い子を助けたのをきっかけにステータスが上がらなくなっただろう?」


「そ、それは…」


「その原因を教えてやろうと思ってな」


「簡単に言うと、実は君はあの事故で死ぬはずだったんだ。それを私が未来を変えた結果、代償として君はステータスが上がらなくなったんじゃ」


「死ぬはずだったなんて…」


「済まなかったな、幾ら命を助けたといえ、君をこんな目に合わせてしまって…」


「いえいえ、神様は僕の命の恩人です。でも…もう俺のステータスは一生上がらないでしょうか?」


「そのことなんだが、私も色々調べさせてもらってね、ステータスってのは戦闘したり、鍛えることで発生する努力値によって上昇するのは知っているね?」


「は、はい。でも僕の場合いくら頑張っても上がらないのですが…」


「そのことじゃが、どうやらその努力値が全て強制的にある能力覚醒に流れてしまっているんだ、つまり、その能力を一度覚醒させてしまえばステータスはまた上がるようになる」


「ほ、本当ですか?あとどれぐらいで覚醒しますか?」


「んー経験値率は95/100か、あと一週間修行を積めば覚醒するだろ〜うなぁー」


「い、一週間か、あ、明日までにどうにかなりませんか?」


「んー1日じゃ辛いな〜、例えばしたことがない、人生経験をすれば努力値が上がるかも、何も闘うことや、体を鍛える以外にも努力値は発生するんじゃ。」


「例えばどんなこと?」


「童貞卒業とか?」


「む、無理ですよ、他に何かないんですか?」


「おっと、ヤバイヤバイ戻らないと…唐突だがこれでお別れじゃ」


「えっ、ちょっと!待ってください!」


激しい光と共に神様は消えて行った。

俺は目を覚ます。もう夜中だ。ダメだ。神様と干渉したせいか体がダルい。俺はまた深い睡眠に陥った。





次回から初戦闘入ります。ちょくちょく細かい設定も入れていきます。

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