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#7

 神殿前で合流した俺達は、二台の車に分乗して移動する事にした。ミナ達の自動車に対する疑問は、例によって、魔法で動く鋼鉄の馬車だと誤魔化して。

 初対面の人間が多いので、十人乗りのハイエースを取り寄せて一台で移動した方が良いという案も出たのだが、明智、アレックス、ロッキーの体格を考えて却下となった。


「それにしても、暑苦しい面子だね…」


 明智が所有している黒いバンの三列目のシートに座っている俺は、ドライシガーの紫煙と共に溜め息を吐く。

 今、この車には俺の他に、運転席に明智、助手席にミナ、二列目のシートにアレックスとロッキーが乗っていた。

 この振り分けになったのには、理由がある。冒険者の二人を信用していない訳ではないのだが、万一に備えて二人を別々にし、ロッキーを明智とアレックスと同じ車にした。この二人なら、例えロッキーが相手でも力づくで押さえ込める。そして、ミナはこの件の担当で案内役だから前方の車両に乗って貰う必要があるのと、アレックスと同じ車に乗っていた方が都合が良いだろうという判断だ。


「まぁ、美人が居るだけマシか」


 その結果、後続を走る伊達のデリカD:5に、伊達、真田、エミリー、シーナが乗っていた。

 ちなみに、伊達が車をアルファードからデリカに新調した理由は、『冒険にはデリカが似合いそう』だからだと聞いている。


「しかし、この鋼鉄の馬車はスゲェ乗り物だな!普通の馬車より速いし、乗り心地も良い!」


 ロッキーは感激しているが、現代の車と中世の馬車みたいなものを比べれば当然だ。


「本当にな。馬も無しにこの速度とは、大魔術なのだろうな」


 魔術じゃなく科学の産物なのだが、ここでそれをアレックスに言ってしまっては意味が無い。


「俺達の世界じゃ、二年に一度、最新鋭の鋼鉄の馬車をお披露目する展示会をやってるよ」


 もちろん、東京モーターショーの事だ。


「なんと!」

「今年、開催されたから、こっちに来る前に見てきたよ」


 驚愕するアレックスに、モーターショーへ行ってきた旨を告げる。


「その話、詳しく聞かせてもらえないでしょうか?」

「俺も聞きてぇ!」


 マッチョ二人が興味を持ったようだ。

 俺は車が大好きなので、モーターショーの様子を話してやる事にする。


「おお!」

「スゲェ!」


 スマホのカメラで撮った、展示車両の写メを見せると、アレックスは涙を流して感激し、ロッキーは興奮して拳を握っている。二人とも、モーターショーのインパクトが強過ぎたのか、スマホや写メに関してはスルーだ。


「これは何ですか!?」

「バイクっていう、魔法で動く鋼鉄の馬だ」

「ヤベェな!これ!」


 ロッキーはバイクがお気に召したらしい。写メを食い入る様に見ている。


「他にも、こんなのもあるぞ…」


 結局、目的の街に着くまでの間、ずっとモーターショーの話をしていた。

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