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エピローグ1

「これで……、やっと……」


 パイレーツセブンの幽霊船が消滅していき、船から無数の光の玉が空へと昇って行く。あの中には、玲雄くんや毛利さん、そして、瑠美ちゃんも居るのだろうか。涙で視界が霞む。

 みんなが命を賭けて、パイレーツセブンを封印しようとした時、私も封印に参加するつもりだった。しかし、手下の骸骨が襲ってきて、そいつの攻撃から瑠美ちゃんを守ろうとした結果、私は骸骨もろとも海へ落ちてしまった。あの時、瑠美ちゃんを海へと逃がしていたら、瑠美ちゃんだけは助けられたのではなかったか?それを考えない日は無かった。

 パイレーツセブンが封印された後も、私は元の世界には帰らず、呪いを解く方法をずっと探し続けた。いつか、封印が解けてしまった時のために。それが、一人生き残ってしまった私の役目だと思ったからだ。


「彰人くん」

「瑠美ちゃん!?」


 瑠美ちゃんの声が聞こえた気がした。私の願いが聞かせた幻聴だろうか?


「彰人くん」


 今度はハッキリと聞こえる。幻聴ではない。周りを見回すと、胸の前辺りに光の玉が一つ浮いていた。


「瑠美ちゃん?」


 光の玉に向かって呼び掛けると、光の玉が少しずつ人の形になり、瑠美ちゃんの姿へと変わっていく。


「彰人くん、ありがとう」


 光の精みたいに金色で半透明の瑠美ちゃんは、優しく笑っていた。


「瑠美ちゃん……、私……、いや、僕は、瑠美ちゃんを守れなかった……」

「そんな事無いよ。ちゃんと助けてくれたじゃない?」


 頭を下げる僕の両手を握って、瑠美ちゃんは首を横に振る。


「僕は……、瑠美ちゃんの事が……、ずっと好きだった。今でも好きだよ!」


 今更だが、ずっと言えなかった想いを告げた。これが最後のチャンスだから。


「ありがとう。私も大好きだよ」


 瑠美ちゃんは、僕に抱きつくと、耳元でそう返した。僕も力の限り、瑠美ちゃんを抱き締める。


「私達、やっと両想いだね」

「うん……」

「同じ高校へ行って、もっといっぱいデートして、たくさん色んなところへ行きたかったな……」

「うん……」

「ごめんね、彰人くん。ずっと一緒に居たいのに…」

「うん……」


 引き留めたい気持ちでいっぱいなのに、そう返すのが精一杯だった。涙が止まらない。


「黒田先輩、ごめんなさい。いつか、先輩が姉さんと結婚して、俺の兄貴になってくれたなって思ってたのに、こんな事になっちゃって……」


 顔を上げると、玲雄くんが頭を掻きながら笑っていた。その両目からは涙が溢れている。


「僕の方こそ、ごめん。君の事も、瑠美ちゃんの事も守れなかった……」

「先輩が頑張ってくれたから、俺達は解放されたんですよ。先輩は、俺の自慢の兄貴です!」


 玲雄くんはそう言うと、光の玉に姿を変えて、飛んで行った。


「私も行かなくちゃ。彰人くんは、私達の分も生きて幸せになってね……」


 その言葉と同時に、瑠美ちゃんも光の玉へと姿を変え、僕の周りを一周すると、玲雄くんを追いかける様に飛び去ってしまう。


「瑠美ちゃん……」

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