#38
「パイレーツセブンの倒し方を、あなたは知っているのですか?」
ずっと沈黙していたミナが口を開いた。
「君は、私を探していた神官か。もちろん、知っているよ。パイレーツセブンという呪いの発生源、つまり本体はこの船だ。この幽霊船を浄化して消滅させればいい」
黒田は余裕の笑みを浮かべながら、ミナの質問に答える。
「何ですと!この船を浄化するですと!それには、莫大な魔力が必要ですぞ!」
アレックスが、目を見開いて声を荒げた。
「その通り。だから、僕らには出来なかった。命を賭けても、封印するのが精一杯だったからね」
「じゃあ、本来は倒すための方法だったのか?」
明智がスペクトラを構えたまま、黒田に問う。
「そうだよ。魔力が足りなかった。こっちに来る時に力を貰ってる勇者八人分でもね」
勇者と呼ばれる召喚者は、体力や魔力の底上げ、特殊能力等を授かるので、こちらの世界の神官等よりも魔力の容量が高い。そんな勇者が八人、生命力まで上乗せしても、この船を消滅させるには到らなかったという事だ。
「魔力で浄化って言ってるけど、銃で撃つのはダメなのか?」
明智が、ミナにスペクトラを見せながら訊ねる。
「ダメではないですが、ここまでの大物となると、ほとんど効かないかと…」
「ダメか……」
ミナの答えに、明智が肩を落とした。
「銃を使って、魔力を込めた攻撃をするのは難しいよ。装填する前から弾に魔力が込めてあればともかく、銃の中に入ってる弾を意識して魔力を込めるのはね……」
明智の疑問に補足しておく。
「そうなの?じゃあ、俺達の装備だと厳しくない?」
真田が、自分のリボルバーを見せながら言った。
「まぁ、俺達の装備は吸血鬼退治のためのものだからね」
伊達はそう言いながら、タバコに火を着ける。
俺達は、もともと吸血鬼退治のために喚ばれたので、装備もそれ用だ。だから、武器も銃火器中心になっていた。魔力体の敵と戦うなら、魔法とか魔力の込められた武器が必要になる。
「どっちみち、銃で船を破壊するのは難しいか」
明智がスペクトラのグリップから手を離し、懐から葉巻を取り出した。
「で、どうする?残りのメンバーが揃うまで待つなら、いったん船から出る?」
伊達が、明智に訊ねる。
「それは困るよ。この船から出ていかれたら、また君達を集めるのに手間がかかるからね。それに、君達のお仲間はもう来るみたいだ」
黒田が俺達の背後を指差した。振り返ると、甲板の上に光が集まり、魔方陣が描かれ出している。
「来たか……」
明智が紫煙を吐き出し、呟くと同時に強烈な光が辺りを照らした。




