#18
「気配がいくつかに分かれたな…」
手榴弾の爆煙が晴れると、パイレーツセブンの気配はいくつかに分かれていた。爆発で吹き飛ばされたとは考えづらいので、何人かに分かれて分散したと考えるのが妥当なところだ。
「灯台の中に居る奴の他には、林に入ったのと、港に向かった奴等が居ますな」
アレックスが腕を組んだ姿勢で呟く。
どうやら、灯台の中に逃げ込んだのは一体で、他は二手に分かれて、灯台の脇にある防風林らしき林と、港へ向かったらしい。港へ向かった奴等は、砂浜の方から迂回したのだろう。
「俺達を分断したいのか…?」
明智は難しい顔をしている。
「どうだろうな?奴等が無差別に人を襲うなら、獲物を求めて港へ向かった可能性もある」
七人岬が獲物を選ぶという記述は、あるものと無いものがあった。パイレーツセブンには、どちらの可能性も有り得ると考えた方が良い。
「チームを分けるか。俺とミナさんは灯台、武田、伊達、アレックスは林、真田、エミリー、ロッキー、シーナさんは港だ」
明智の指示に、皆が頷く。各チームに一人ずつ神官を配置し、各人の武器を考えれば的確なチーム分けだ。
「じゃあ、行くか」
各チームがそれぞれの戦場へと向かう。俺達は、灯台の脇の林の中へ。
「こちらには三体ですな」
アレックスが林の奥を見詰めて、告げた。
「て事は、港にも三体か」
伊達は革手袋からワイヤーを引き出す。
「そのワイヤーでいけるのか?ヴァンパイアはバラバラにしてたけど、今度のは悪霊に近い魔物だし…」
「大丈夫じゃないかな。チタンの上から聖別された銀のメッキがかけてあるから。天使の祝福も受けてるし」
「たしかに、強い力を感じますな」
アレックスが伊達のワイヤーに感心していた。
「俺もこいつを使うか」
林の中では跳弾の恐れがあるので、拳銃はホルスターにしまい、刀を引き抜く。
「それは…!?」
俺の刀を見たアレックスが、目を見開いた。
「こいつは霊力でできてるんだよ。こっちで言うと、魔力かな…?」
「魔力を物質化した武器ですと!そんな物を使える人間が居るとは…!」
「人間じゃ無かったりしてね…」
顔にハテナマークの浮かんでいるアレックスを見て、苦笑する。俺の正体がバレない様に気を付けなければならない。
「居るよ」
「あいつらの格好…」
伊達の目線を追うと、先程とは違い、姿がハッキリ見える距離に三人の若い男が立っていた。スタジャンやジャケットという、俺達の世界の服装で。




