#16
「やはり、彼らは行方不明になった者達でした」
ミナによると、操られて宿を襲撃してきた男達は、行方不明者で間違いないそうだ。彼らは現在、警備隊が保護している。
「パイレーツセブンを調べてるっていう学者は?」
「保護された中には居ませんでした」
ミナの返事を聞き、伊達は短くなったタバコを灰皿で揉み消した。
俺達は、宿の食堂に居る。警備隊に同行して詰め所へ行っていた明智とミナが戻るまで、とりあえず食堂で待機となったからだ。
神官を三人も連れている勇者一行というネームバリューのためか、昨夜の件があったにも関わらず宿の主人には嫌な顔をされる事はなかった。
「さて、どうする?」
明智が全員の顔を見回す。
「新しい情報も無いんじゃ、予定通り港を偵察するしかないんじゃないの?」
シーナが葉巻を指で弄びながら、訊き返した。
「だよな。異論は無し?」
「私は、予定通り行動した方が良いと思います」
「そうですな。急遽の予定変更は、ロクな結果を生まないですから」
シーナの意見を聞いて再び皆を見回した明智に、ミナとアレックスが答える。
「その流れでいいんじゃない?でも、お昼食べてからにしようね」
「そうだな。じゃあ、お昼にしますか」
真田の意見に、明智だけでなく、皆が頷いていた。
「倉庫ばっかりだな…」
昼食を終えた俺達は、港へ来ているのだが、真田の言う通り周りは倉庫と船ばかりだ。
「芝浦埠頭みたいな感じかね…」
「しばうらふとう…?」
「俺達の国の港だよ。ここみたいに倉庫もたくさんあって、よく撃ち合いに使われる」
エミリーの質問に答えながら、シガリロに火を着ける。
芝浦埠頭と言えば、ドラマでは撃ち合いのメッカだ。ここも倉庫が建ち並ぶ港である事を考えれば、襲撃が絵になる場所なのかもしれない。
「撃ち合いですかぁ!?」
「変な事教えるなよ…。撃ち合いに使われるのは、架空の物語でだよ」
伊達が苦笑いしながら、エミリーを宥めた。
「まぁ、何か出てきそうな雰囲気ではあるけどね」
真田も苦笑いしている。
「あれは何だ?灯台?」
明智が指差した港の端には、白っぽい灯台の様な物が建っていた。




