#14
「それで、パイレーツセブンってのは、どんな奴等だった?」
パイレーツセブンと思われる者達の襲撃を受けた後、俺達は一つの部屋にまとまって居る事にした。今夜、再び襲ってくる可能性は低いだろうが念のため。明智達の部屋はドアが穴だらけで窓も吹き飛んでいるし、女子部屋に集まるのも気が引けるので、消去法で俺達の部屋だ。
「外は暗かったし、人影と紅く光る目だけしか見てないよ。いきなり、跳び上がって来やがったんだよ」
俺の質問に、明智は太い葉巻をくわえたまま答えた。葉巻は、コイーバのロブストスだ。
全員眠ってしまうわけにもいかないので、今は俺、明智、シーナが見張りに起きている。
部屋にはベッドは三つしかないので、床にも明智の部屋から持ってきた布団を敷き、他のメンバーは眠っていた。
「私も目しか見てないわね。あいつらがどこに立ってるのかも分からなかったわ」
シーナは、細巻きの長いシガリロみないなものを吸っている。この世界の葉巻だそうだ。ファンタジーの世界で喫煙者、しかも葉巻を吸う人間に出会えるとは思わなかった。
「じゃあ、行方不明になってる人達かどうかなんて分からない、か…」
俺も、シーナから貰った葉巻を吹かす。この世界の葉巻を吸ってみたくて、一本、交換してもらったのだ。味は、ドミニカ葉を使っているドライシガーに似ているが、甘味は少なくて苦味が強い。
「人質の救出も考えなきゃダメだろうなぁ」
明智が難しい顔をした。
「そうね。その前提で動いた方が良いと思うわ」
シーナも明智の意見に頷く。
「となると、奴等のアジトを知りたいところかな。さっき襲ってきた事を考えると、街から離れてはいないと思うんだけど…」
もし、奴等が街から離れた場所に居たら、俺達が街に着いた当日に襲ってくる可能性は低い。街の中か、周辺に潜んでいるはずだ。
「霊感で気配を探れたりしないのか?」
「難しいな。昼間に情報収集をしていた時には、何も感じなかったし。神官達が何も言ってなかったって事は、彼女達にも引っ掛からなかったって事だろうし」
明智の言う様に、霊感に引っ掛かれば手っ取り早いのだが。
「明日、港の方へ行ってみたら、どうかしら?そっちへは行ってないんでしょう?」
シーナの言う通り、港は回っていない。祠の近くにある商店を中心に聞き込みをしたからだ。
「明日の昼にでも行ってみるか」
明智の提案に、俺とシーナは頷いた。他のメンバーからも、たぶん反対意見は出ないだろう。
「あとは、明日の朝、宿の主人への説明だけが問題よね…」
「そこは、明智とミナさんに任せよう」
宿の従業員や他の宿泊客は、騒ぎの後も寝静まったままだった。眠気を誘う術にやられたと考えるのが妥当だ。朝には目覚めるだろうから、割れた窓や穴が開いたドアの説明をしなければならない。勇者である明智と神官のミナなら立場上、説明役には適任と言える。
「強盗が押し入ってきたって話せばいいんだろ?」
「悪霊に襲われましたなんて言ったら、街が混乱するかもしれないからな」
主人に話す内容については、すでに話し合って決めてあった。
「それに、悪霊に襲われて銃をぶっ放したなんて、頭がおかしいと思われちまうよ」
明智が葉巻の灰を落としながら、苦笑する。
「俺達の世界で、だったらな…」
俺も苦笑いしながら言った。




