#9
「こいつは、ひでぇな…」
ミナの案内で辿り着いた祠は、見事に粉々になっていた。爆弾で吹き飛ばしたかの様に、瓦礫が散乱していた。
ロッキーは、祠だった瓦礫に近付き、破片に手を伸ばす。
「止めろ!」
制止すると、ロッキーの動きが止まった。
「祠の破片が安全とは限らない。無闇に触らない方がいい」
ロッキーが後退り、祠から数歩離れたので、祠を霊視してみる。
「祠の辺りが黒いオーラに覆われてる。呪いか?」
霊視すると、霊的な気配が視えるのだ。こちらの世界だと、魔力や魔法、呪いの類いが。祠だった瓦礫は、黒い靄を纏っている様に視えた。
「そんな…」
「むぅ…」
「怖い事言わないでくださいよぉ」
神官達の反応からして、彼女達は何も感じていない様だ。
(弱いオーラってわけじゃない。罠か…?)
罠だとすれば、放置するのも危険だが、接触は避けた方が良い。
「とりあえず、この瓦礫に触らないようにしてくれ。それと、誰か浄化系の魔法は使えるか?」
「それなら、僕が使えます!」
「じゃあ、エミリーは、この瓦礫を浄化してくれるか?なるべく近付かないようにして」
「分かりました!」
エミリーは瓦礫に向かって手をかざすと、何やら呪文を唱え出した。かざした両手の掌に白い光が集まり出す。
「えい!」
エミリーの気合いと共に、白い光が輝きを増し、掌から瓦礫へと注がれた。
白い光に洗われる様に、黒いオーラが消えていく。
「これで大丈夫そうだな」
黒いオーラが全て消えたのを確認して、霊視を解いた。
「ミナさん、すでにこの瓦礫に触った人間が居ないか、居たらどうなったのかを調べて欲しい。できるか?」
「分かりました」
「俺はミナさんの護衛について行くよ」
「よろしく。俺達も街の噂とか、できる限り情報は集めよう」
「じゃあ、後で街の入口にあった酒場に集合で」
明智がミナの護衛につく事になったので、二人を除いた他のメンバーは、俺、アレックス、ロッキーの組と、伊達、真田、エミリー、シーナの組に分かれて情報収集する事となった。




