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いにしえ日記  作者: 歩野
1/7

その1

一九九九年十二月十五日

 ひとつの言葉が元気を与えてくれる。



十二月二十二日

 二日続けての虹。綺麗だった。



十二月二十四日

 月が綺麗。



十二月三十一日

 いつものように色々ありすぎた一年。来年こそは良い年になりますように。



二〇〇〇年一月一日

 朝から晩まで飲んだくれ。



一月三日

 本能と理性は逆行するもの。たまには本能を解き放ちたい。しかしジキルはそれを許さない。



一月五日

 仕事はじめ。アルコール漬けの体は目を覚まさない。



一月九日

 ドライブは大雨の日にかぎる。



一月十三日

 上を見たらきりがない、下を見ても同じ事。でもなあ。



一月十九日

 意味のないところでの論破は、自分の首を絞めるに等しい。



一月二十五日

 久しぶりの友達に会い、高校以来の話をする。昔は尖っていて喧嘩っ早かったのが、人が違ったように丸くなっていた。

 時間は人を変える。

 もっとも高校時代の友達に言わせりゃ、俺も人が変わったように丸くなっているらしい。



一月三十日

 心が痛い。人間ってなんて無力なんだろう。



二月二日

 風邪でダウン。失って気付く健康と幸せ。



二月八日

 君の笑顔に心が癒される。



二月十一日

 毎日の生活に追われる君に、昔の笑顔は戻らない。



二月十二日

 虫歯に語りかける。入れ歯にするぞコノヤロー!



二月十九日

 九十九%の嘘と一%の真実で生きる友達。



二月二十二日

 もう詩を書く感性なんて残ってないよ。



二月二十八日

 頭痛。酒を飲みすぎた。と言っても、350mlの缶ビール一本と、熱燗二合を飲んだだけなんだけど。この程度で痛くなるような脳みそなら、取って捨ててやりたくなる。

 しかしいくら酒に弱いといっても、このぐらいで痛くなるかなあ。だれか酒になにか入れなかったか? 俺の体が欲しいなら相手してやるから、この頭痛をどうにかしてくれ。



二月二十九日

 四百年に一度の閏日。と言っても、何があるという訳ではないが。

 四百年前っていうと、関が原の戦いか。タイムマシンがあれば見物に行きたいものだ。当時は剣道がなかったから、未熟な剣さばきだっただろうけど、それでも命を張るわけだから迫力があっただろうな。剣の技量がないのなら尚更。

 あの戦で徳川が勝ったから、今の閉鎖的な日本人ができたわけだし。

 一見の価値あり。

 といっても叶わないので、海水浴に行ってきた。関が原の戦いと海水浴はなんの関係もないのだが、なんとなく。

 海水は温かかったけど、潮の流れが速くて大変だった。

 当然、泳いでいるのは俺一人。

 また変な目で見られているんだろうなあ。どうでもいいけど。



三月四日

 昼食をとった後、睡魔が襲ってくる。

 眠いのを必死に我慢し、パソコンと向かい合うが、パソコンも睡魔と手を組んでいやがった。

 それでも、なるものかとマニュアル書に目を通す。しかしマニュアル書までが……

 気が付くと睡魔にレイプされていた。後ろからは社長令嬢の視線を感じる。

 ああ、やっちまった。



三月六日

 偶然、高校の同級生に会い、お互いビックリ。

 三年生の時に彼女とは同じクラスだった。

 久しぶりの再会にも関わらず、昔のままの会話をする。

 話によると今は結婚して新潟に住んでいるそうだ。元気そうでなによりだった。

 ただ、「妊娠しているの?」とは聞けなかった。



三月七日

 佐野元春、懐かしいね。中学の時によく聴いていたっけ。あの頃は純粋でよかったなあ。すべてが新鮮で楽しかった。

 久しぶりに佐野元春を聴いてみたい。きっと、当時とは違った感覚で楽しめるだろう。あの頃にはわからなかった歌詞の意味も、分かるに違いない。


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