本編 ◇ビート その6
「……んん」
目を開く。木で出来た天井が視界に飛び込んでくる。
どうやら僕は、また、気絶していたようだ。
先ほどまで、ビーレという女性とカインが喋っていたのだが。
「教室じゃないな……どこだろう」
起き上がり寝かされていたベッドから出ようすると、少し頭痛がした。
そう広くはない空間を見渡す。どうやら、ここは、どこかの一室のように見える。ちゃんと、ドアもある。それに、机があってその上には写真立てが置いている。
「……」
写真立てを取って、見て見ると、そこには三人の人が映っていた。
一人は背丈の高いメガネをかけた男性。そして、その隣には、その人の奥さんと思われる女性が立っている。さらに、その二人の間には、夫婦の娘らしきものも映っていた。
僕が写真立てを置いて、ドアのノブを回そうとしたとき、ドアが開いた。
ドアを開けて入ってきたのは、初老の男性だった。その人は泥や油にまみれ汚れた作業服をきている。
「おお! 起きたかボウズ。もう立てるのか?」
「あ、えぇ」
「そうかそうか。そりゃあよかった。けど、なんでまたこんな辺鄙なトコにいたんだ?お前さん、随分疲れてたんだろう。俺の家の前で倒れていたぞ」
「ああ、えっと」
「まぁ、取りあえず話はリビングで聞こう。ついてきなさい」
※
リビングに通されると三つの椅子が机と一緒に置かれており、老人は僕を座らせると台所からコップを二つ取り出した。
「珈琲、飲めるか?」
「はい、一応」
「そうかい」
そういって老人は僕に背を向け、コップを出してきた所から珈琲豆のようなものが入った袋を取り出して、珈琲を作り始めた。
「一分もありゃすぐにできるから、ひとまずなんでボウズがこんな所にいるのか聞かせてくれるかい?」
「分かりました。とは言っても、信じてもらえないでしょうが……」




