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本編 ◇ビート その5

「あ、本当だ」

 カインが指さす方向には、一人の女性と思われる人が立っているようだった。

「ここのことを聞いてみましょう、二人とも」

 トゥリが先に歩きだす。

「ああ、行こうぜ」


「あの、すいません」

 女性に声をかける。

「んん!? まだ生者がいたのかい! それも、三人」 

 その女性は、こちらを向くなり驚いた顔して、僕達をまじまじと見つめる。

「あー、もしかしてさっきの娘と、同じ感じかな?」

「おおっと、すまないねぇ。アタイの名はビーレ、ビーレ • ナナフシギさ」

「で? あんたらの名を教えてくれよ」

 明るい声で早口で喋る。その女性は名乗った。

「え、えっと、僕はビート、ビート • スタンです。そして、男の子の方が、カイン • コールソン。女の子がトゥリ • シウロライトです」

「ふんふん、ビートにカインにトゥリね」

 少し迷いながらも自己紹介をする。

 すると、左隣にいたカインが口を開く。

「俺達、気がついたらここにいたんだ。ここがどこか教えてくれよ」

「……わかったよ。じゃあ、簡単に説明するさ。ここは、死んだ者が天国行きか地獄行きかを決める前に来る、いわば、停留所ってやつだねぇ」

「じゃあ、俺達は死んだのか?案外あっけないな」

「まぁ、話を聞きなよボク。死んだ者が来るはずなんだけどあんたらは死んではいない。生きたままここに来たってことになる」

「ところで、帰りたいかい?」  

 本当に、唐突に、ビーレという女性は言った。

「は? いや、そりゃあ勿論帰りたいよな、ビート、トゥリ?」

「そりゃあねぇ」

「うん。勿論だよ」

 僕達が言うと彼女はうんうん、と頷くとこう言った。

「そうかい、なら、さっさと帰してやろうかね。それじゃあバイバイ。もう来るんじゃないよ!」

「「「えっ?」」」

 そこで僕の、僕達意識はまた途絶えた。

 意識が途絶える直前に、こんな言葉が聞こえたきがした。

「今度はどんな……なんだ?」


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